情けない。
「日本歯科医師会」(日歯)は,全国の歯科医師約6万4000人で構成され,その政治団体が「日本歯科医師連盟」(日歯連)。日歯に加入すると自動的に日歯連にも加入するシステムになっている(この件に関しては,訴訟も起こされている)。東京地検特捜部は,2月2日に日歯連が政治資金を不正に処理していた疑いがあるとして,政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で,東京都千代田区の日歯連や日歯連会長宅の家宅捜索が行われた。日歯連は1998年に自民党の政治資金団体「国民政治協会」に対して6億6千万円(第一位)の寄付をしているほど,自民党の最大の有力支援団体の一つだそうな。
だいたい日歯と日歯連の会長が同じなのだから,一般の人が日歯と日歯連の区別がつくわけもなく,歯科医師の集まりが,飲み食いに会員の金を勝手に使い込んだり,(政治的になんら成果が出ないのに)政治家に(無駄)金を払い続けているとか,汚いお金がまた歯科医から政治家へという余計なマイナスイメージができつつある現状さえ把握できず,捜索を受けてからすでに1週間以上も経つというのに日歯のホームページでは,一般向けに全くそのことに触れられていないのはどういうことだろう。探してみても,各地域の会長向けに日本歯科医師連盟が政治資金規正法違反の嫌疑を受けたという報告のみ。これじゃぁ,歯科医師会が歯科医師と国民のどちらに向いているか明白だろう。危機意識のなさには呆れるばかり。歯科医師のイメージを悪化させる一大事だというのに,唯一の釈明ができるるインターネット上のメディアを使わないで,どうするつもりなんだろう。今回の件はトップページでアナウンスすべき事じゃないか?
私見だが,政治にお金を使うよりは,もっと国民の口腔保健の啓蒙と教育に会員から集めた資金を使うべきじゃないかと思う。例えば「プラークコントロール」という言葉がある程度一般的になったのは,歯科医師会が広めた言葉でも,大学の先生方が声高に叫んだ結果でもない。「知覚過敏」しかり。企業のテレビコマーシャルで連呼された結果だ。もっと歯科の宣伝にメディアを使って,良いイメージを広めるようにする努力にお金を使うべきだろう。歯科医師会への若い歯科医師の加入率を上げるためにも(日本の届出歯科医師総数は約9万3000人),歯科界全体のイメージがよくなれば,歯科を志す学生だって増えるだろうし,患者さんだって,歯科にかかる不安を少なくできる。歯科医師の代表団体としては,いつまでも古き良き時代(があったかどうかわからないが)にしがみついているより,もっとまともに時代の流れと将来を見据えた戦略を持ってもらいたいものだ。
| 固定リンク
« なんと行列が | トップページ | とりあえず1カ月 »
「健康」カテゴリの記事
- 歯と口の健康週間2018 「のばそうよ 健康寿命 歯みがきで」(2018.06.04)
- 骨伝導方式の聴覚補助器「ETEREO H+」短期インプレッション(2018.05.05)
- 歯ブラシは水で濡らさない?どっちでもいいよ。(2018.03.08)
- 「学ぶ」が支える健康習慣。「健康第一」・「学ぶ」タスク 【 PR 】(2018.03.13)
- EPSON PULSENSE PS-600Bの調子が…(2018.02.23)
コメント