切なさとぬくもり・コープスブライド
意外と上映館が少ないんじゃないかと思う「コープスブライド」,久しぶりに有楽町マリオンで観てきました。
鬼才ティム・バートンの新作ストップモーションアニメです。どうしても,ナイトメアー・ビフォア・クリスマスの続編的に観ちゃいますが,ストーリー的には全く異なります。
が,シーンやキャラクターは,やはりかぶってみえてしまうのは,仕方のないところでしょう。それもまた一つの楽しみ方ですよね。
声優は,現在公開中の「チャーリーとチョコレート工場」と,やはりかぶります。お客さんもかなりかぶってますね,きっと。ストーリーはとてもわかりやすいラブストーリーなので,たぶんデート向き映画。
ひょんな事から死体の女性と結婚することになってしまった主人公の青年「ビクター」。そのひょんなことが予告から気になって仕方がなかったのですが,これもすっきり。なるほどね。台詞の練習だったんだ。ジョニー・デップは,ウィリー・ウォンカとの二重生活だったようです。あとティム・バートンのパートナーでもあるヘレナ・ボナム=カーターとクリストファー・リーの二人もそうでしょうね。
ちょっと怖いシーンは,コープスブライド登場の最初だけ。決定的な悪人というのは,Mr.インクレディブル似のバーキスくらいかな。彼が多分○○○だろうなと思ったらやっぱりそうでした。
コープスブライドの頬の肉は一部腐って穴があいて歯が見えているし,手足も半分は朽ち果てて骨になっちゃってるけれど,これが,だんだんキュートでチャーミングに見えてくるのが不思議。一途なエミリーの切ないシーンには,ちょっとほろっと。ティムバートンらしいブラックなジョークもそこここにちりばめられていて,楽しい80分弱でした。
エミリーという名前をあまり使わなかったのは,なんかちょっと痛かったんだけど,あまりキャラクターに思い入れををもたせないためなのかなぁ。なんだろう?もともと生命のないパペットに,死体と人間の役を与えてそれぞれに命を吹き込み,死者の世界と生者の世界を同時に描くこの映画。実は死んだもの達とその世界の方が生き生きとぬくもりと活気にあふれています。陰気で味気なく息がつまりそうな生きる者達の世界との対比が面白い。パブのシーンなどが特にそれを感じさせるけれど,逆転した描き方は,狙ったものなのでしょう。所々ミュージカル仕立てです。
風変わりでちょっと笑ってしまうキャラクター達といつまでも観ていたい死者達が暮らす街並みは,妙に魅力的。舞台の裏側まで見たくなるのは,「千と千尋の神隠し」の油屋と街並みに通じるところがありますね。(こちらに,制作シーンも含めて,写真がたくさんあります。)
クライマックスシーンは,ピアノ連弾。こんなにヘンテコで楽しかったら「あの世」暮らしも,まぁいいかなぁと思っちゃいますよね。
Warner Sunset (2005/09/20)
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期待大!
65点。パンフレット,買いました。
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