和風バックトゥーザフューチャー「地下鉄(メトロ)に乗って」
父の視点,息子の視点,家族の視点で,混沌とした第2次世界大戦前後から現代まで複雑に絡み合った愛情と確執の人間模様を,タイムスリップの手法を使って,じっくりと解きほぐしていくファンタジーです。昨年,映画化された浅田次郎の原作です。
銀座線は,1927年(昭和2年)に日本で最初に浅草~上野間で営業を開始した地下鉄です。渋谷~新橋間は,1939年(昭和14年)に開通。子どもの頃に,銀座線の第三軌条切り替え時に車内灯が消えて,非常灯がつくのが,とても懐かしく思い出されました。
読み終わって感じたのは,僕にとっても第2次世界大戦って意外と近い存在だったんだなぁってこと。たぶん昭和30年代から40年代くらいの生まれの人だと,かなり共感を持って読めるんじゃないかなぁ。地下鉄の入り口から吹き上げてくる,独特の匂いのある生暖かい風,駅構内のタイル壁など,東京の地下鉄をよく使っている人には,かなり,リアルに感じると思います。永田町と赤坂見附の連絡通路で,例の入り口を探してみたくなります。
ネタバレは避けますが,和製のバックトゥーザフューチャー+ちょっぴりバタフライ・エフェクトって感じかな。で,読み終わった後は,ちょっと切ない気持ちに。うーん。余韻は複雑ですね。
特別版に収録されている書下ろしのコラムは,種明かしが好きな人にはいいかもしれませんが,ちょっと蛇足のような気もします。映画は見ていませんが,3月にDVDが発売されるようです。
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コメント
なるほど。
私の生まれた年も、年齢に比べたらはるかに終戦に近い。
いつのまにそんなに経ったかなぁって思いました。
この本かDVDを見てみたいですわ。
投稿: のんきち | 2007.01.26 19:19
のんきちさん,コメントありがとうございます。
そうなんですよ。自分の誕生年を起点にすると,終戦までのほうが,現在までよりもよっぽど近いことに気がついて,うーん…となってしまいました。
映画の感想などもみたら,わりと原作に忠実なようなので,DVDが出たら,買ってみようと思っています。
投稿: HAMACHI! | 2007.01.26 19:58