やわらかい画質,でもかなりトンガってるPENTAX K20D/K200D「トークライブ」
東京 秋葉原のUDXギャラリーで開催された「K20D/K200D体感トークライブ」に雪の中,出かけていきました。遅ればせながら,レポートを。
お昼頃行ったのですが,さすがにこの雪で,かなりじっくりと実機(β機)に触って,説明スタッフの方と十分にお話しすることができました。天気の良かった前日よりは,かなり待ち時間も短めだったのではないかと思います。
「トークライブ」は,1月25日に発表されたペンタックスの新型デジタル一眼レフカメラ「K20D」,「K200D」とレンズ群やK20D,K200Dで撮影された作品を,お披露目するイベントです。実機に触って,お話も聞けて,写真も撮れるという,かなりそそられるイベントです。
K20D/K200Dの概要については,こちら。
スケルトンモデルや実機のアップは,こちら。
PENTAX デジタル一眼レフカメラ K20D レンズキット(K20D+DA18-55II)
まずは,実機を操作できる「タッチ&トライコーナー」
K10Dとの違いがわかりにくいK20Dの概観ですが,持ってみるとすぐわかるのが,液晶ファインダーの大型化。
ライブビュー機能がK20Dにつきました。ライブビューにするには,シャッターボタンのレバーを右(被写体に向かって右)方向に押すと,モードが切り替わります。
ライブビュー中は,シャッターボタンで,オートフォーカスが効かないので,いわゆる「親指AF」で,ピントを合わせて(このとき,いったん画像は消えます。),合焦を確認して,改めてシャッターボタンを押すという動作の流れになります。
視野角は170度(ですって!発表の時は160度だったような…),ライブビューを使えばウェストレベルにカメラを下げたり,カメラを持った手を上げたりしても,構図は確認できるので,被写体によってはとても効果的に撮影できる機能です。で,できれば,オリンパスのように,最低でも合焦時に,表示と音が出るようになるといいな。ピントの確認や,補正効果をリアルタイムなライブビューで見られれば,言うことはないのだけれど。まぁ,まだβ機ということなので,今後に期待できそうです。
コンパクトデジカメでは当たり前のこのライブビュー機能,つまり背面の液晶モニターを見ながら撮影するのは,一眼レフでもかなり一般的になりつつあります。アングルファインダーいらずのライブビューは,天体撮影や花火撮影の時にも,かなり大活躍してくれる機能なので,ぜひぜひ他社がマネできないライブビューを作り上げてください。
で,その次に体感できるのがAFの早さ。
K10D使っている人だったら,すぐわかると思いますよ。
気持ちよくシャッターが切れます。シャッター音って,レンズによって反響が違ったりするので,正確なところはわかりませんが,K10Dと同様,ちょうどいい音と振動にチューニングされていると思いました。
で,K20Dのダストリムーバルは,K10Dの倍,叩いてくれるので,さらにゴミが落ちやすくなりました。効果は20%アップ。
それから,新しく追加された機能「ダストアラート」。これ,便利ですよ。あると安心。当たり前ですが,撮影前にゴミがないのがわかりますからね。やり方は,白い紙を用意して,カメラの指示に従って,シャッターを切るだけ。ちょっと長めの露光時間なのですが,これで,撮影したjpeg画像が表示されるので,ゴミの在りかがはっきりわかります。で,後は,フォーラムに持っていくか,リムーバルキットを使えば,ゴミの場所が予めわかっているので,きちんととれたかどうかも確認できます。精神衛生上,とてもありがたい機能です。
シェイクリダクション(SR)のデモ。SRが効かないところまでブルブル揺すっちゃってるのは,限界も惜しまず見せてしまうというペンタックスらしいデモですね(笑)。ライブビューでSRの効きを確認しながら撮れるのは,わかりやすくて,便利です。
↓まだまだ続きます。
ボディ内RAW現像の話
K10DではできなかったRAW→TIFFで保存するのに約5秒。
カスタムイメージの使い方などが,中央のステージでデモしてくれました。これは,日曜日のみのデモだったようです。
JPEGで撮影した写真も,最後に撮った写真だったら,ホワイトバランスを変えることもできるというのは,かなり便利です。バッファーメモリー内に残っている画像データを使うので,この場合,いったんスイッチを切ってしまったらダメです。カスタムイメージで編集した画像は,別に保存されます。
カスタムイメージが,今まで「鮮やか」と「ナチュラル」設定しかなかったのが,「風景」,「人物」など,いろいろと選べるようになりました。注目は「雅(MIYABI)」モード。鳥居の朱色を撮るときなどにと和風テーストのモードとして考えて作られたようですが,かなり鮮やかになるので,風景写真などにもかなり使えそうだとのこと。
画像を確認しながら,撮影前,撮影後に設定できるのは,ペンタックスだけ。(←だったら,ライブビューでもホワイトバランスや深度,焦点の確認ができるようにしましょうよ,ペンタックスさん!)
画素数の話
これが,今回とても重要なポイントになってくると思います。K10D(1020万画素)からK20D(1460万画素)で,画素数が大幅に多くなりました。
1000万画素程度でも十分いい写真は撮れるんですが,これが,約1.5倍の1460画素では,より階調が滑らかになるというメリットがあるんだそうです。展示されている作例を見たら,たしかにボケのでかたも,一段違うような気がしました。
それから,K10DとK20Dで同じ条件で撮影した写真を高精細のナナオのモニターで見比べることができました。外観と操作性はK10Dと同様ではありますが,中身は全く違うカメラという印象です。ここまでくると,レンズの性能がしっっかり画質にでてしまいますね。PCやMacのモニターで見る分には,こんなに高解像度である必要はなかったりするのですが,実際にプリントして作品にすると,やはりこの画素数というのは効いてきますね。邪道という向きもあるかもしれませんが,画素を切り出せば,望遠レンズがないときのデジタルズームがわりにもなります。
シャープネスの処理も新しい機能「ファインシャープネス」が加わってます。ペンタックスのオフィシャルページに,これを「ON」にした作例があります。効果を強くしても輪郭が太くなりません。全体にシャープネスをかけるのではなくて,細かいところをデリケートにくっきりとさせる機能のようです。デフォルト設定は「シャープネス」になっています。欠点は連続撮影可能枚数が減ることとISO400以上では輝度ノイズが発生する場合も。
中央のステージでも,モデルさんが出てきてくれるので,みなさん,デモもそこそこに(もっと聞いてあげてよ!),大撮影会!
高感度の話
K10DでISO800まで画質的にはOKだなぁと思っている人がいたら,今度は,ISO1600までOKって思ってもらえるはずとのこと。人の目で見えないような明るさのところでも一瞬被写体にライトを当てて焦点さえ合わすことができれば,それなりに取れてしまうと言う写真を見せてもらえました。
ノイズリダクションとダイナミックレンジの拡張
これも,4段階に設定できます。設定した感度によって使い分けられそう。ピーカンの晴天時などに,白トビを抑えてハイライト部の階調再現性を抑える機能がダイナミックレンジの拡大機能です。デフォルトではOFFに。ダイナミックレンジの設定は,ISO200でのみ設定できて,設定値は200%のみ。メリハリが効いた写真を撮りたいときは,OFFにした方がいい場合も。連写スピードには影響しません。
「体感フォトスタジオ&プリントコーナー」では,モデルさんをスタジオのセッティングで,K20D,K200Dを使って撮影することができます。35mmMacroを試してみたかったのですが,「赤字覚悟のキットレンズ【DA18-55mm/3.5-5.6 AL II】を是非!」と言われたので,使ってみました。
撮影後は、撮影した画像の中から1枚だけエプソンの複合機で,優しいコンパニオンのお嬢さんが,プリントアウトしてくれます。うちに帰って,スキャンしてみた写真は,一番最後に。
ステージでは,プロカメラマンの河田一規さんによるK20D/K200Dのファーストインプレッション,
プロカメラマンの谷口泉さんとペンタックスの開発者の前川さんによるぶっちゃけトークセッションなどがあり,両方,最前列の席で,じっくり聞くことができました。谷口さんのお話(マシンガントークでした)は,発表時のインターネットでのK20Dのネガティブな評判をふまえたポジティブな反論。まぁ,認めちゃってるところもありますけどね。スペックの数字が全てではないというのは,確かです。だって,自分が楽しめて,いい写真が撮れればいいわけだから。英語モードで立ち上げたときと,日本語モードに設定したときでは,デフォルトの画質(とくにシャープさ)が違うようになっているのだそうです。英語圏では,ちょっぴりカリッとした画質を,日本ではシャープネスを「-1」にして,柔らかめにして,「素材」を提供するような設定にしたとのこと。
そうそう,F値も決まってないけど,面白そうなレンズ出てましたよ(↑写真クリックするとわかるかも)。ロードマップにも出てますね。
新しい望遠レンズも,いろいろと試してみることができました。三脚にK20DとK200Dが設置され,秋葉原駅を通る電車を撮影できるという,アキバならではの,工夫(?)。
スターレンズをのぞくと,ファインダーまで明るくなったような気になりますね。また,この三脚がスムーズに動くこと! やっぱり,ちゃんとした三脚もう一本買おうかなぁ。
スケルトンモデルも置いてありましたが,すでにブログの記事にしてあるので割愛。
K20Dは,見た目K10Dとなんら変わるところがありませんが,中身はがらっと変わっています。設定できるパラメータがかなり増えて,さらにマニア受けしそうな機能満載。出てくる画質は柔らか,でもカメラはかなりとんがってます。さて,僕は我慢できるでしょうか(笑)。
気になる「K20D」の発売日は,3月7日に決定。
<K200D>
K200Dは,中身K10Dで出てくる画像もK10Dで,この価格,はっきり言って凄いですよ。
ペンタ部はミラーですが,古いレンズも装着できるボディ内手ブレ補正,ダストリダクションとダストアラート,K10Dには無いカスタムイメージとオートピクチャー,さらにダイナミックレンジ拡大機能までついてしまっているのだから,一般的なエントリー機のスペックと画質を考えたら,絶対お得。
防滴・防塵仕様だから,ボディもかなりしっかりして質感の良さが伝わってきます。右側にダイヤル2個も要らないってデジイチビギナーには,オススメ。単三電池で駆動できるのも,利便性を考えて,わざわざ,そうしたとのこと。ペンタックスが渾身の力を込めたというキットレンズ「DA18-55mm/3.5-5.6 AL II」といっしょに手に入れるのが,たぶん幸せになれると思います。PENTAX K200Dの発売日は,2月22日。
ペンタックスK200Dの価格検索
PENTAX K20D & K200D 優待割引キャンペーン
「清水りさ」さん お話ししながら楽しく撮らせてもらいましたが,撮影しながら癒される感じ。プロのモデルさんってすごいなと思いました。「寒くないですか?」なんて質問は,今思ってみると,バカな質問しちゃったなぁ…。完全に舞い上がってました。大阪にも行かれるようですよ。画像は,インクジェットでプリントした写真をスキャンしていますので,参考程度に。
K20D/K200Dトークライブ,まだまだ続きます。
2月9日,10日は,大阪
2月16日 仙台
2月17日 名古屋
2月24日 福岡
3月2日 札幌
<参考>
トークライブに参加された,読み応えのあるブロガーの皆さんの記事にリンクしました。
秋葉原 PENTAX K20D・K200D 体感&トークライブ訪問記(ねりうま写真生活)
K20D雑感(信州5号)
K20Dトークライブ~インプレ編(猫の目スチル)
K20D/K200Dトークライブ(パラダイスなココロ)
雪の中、ペンタックス新機種 体感&トークライブに行って来ました(できる時だけの写真日記)
体感&トークライブ(『でじロボ』 の撮影にっき)
メディア系の参考記事等も追加します。
ペンタックス、デジタル一眼レフカメラ「K20D」と「K200D」を発表(ASCII.jp)
WAM Photo実写速報第34回ペンタックス「K20D」(ASCII.jp)
写真で見るペンタックス「K20D」(インプレス・デジカメWatch)
写真家・相原正明のつれづれフォトブログ
ペンタックス「K20D」(β版)の実写画像を緊急公開!(ふぉとカフェ)
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コメント
こんばんは。
>さて,僕は我慢できるでしょうか(笑)。
私は我慢するつもりでしたがこの記事を読ませていただいて少し自信がなくなりました(;^_^A
投稿: HAL | 2008.02.07 00:03
HALさん,嬉しい反応ありがとうございます!
説明の方が,「まだβ機なんですけど」と言いつつ,楽しそうだったのが,また印象的でした。発売までに,まだまだ良くなりそうですよ。
投稿: HAMACHI! | 2008.02.07 03:55
素晴らしいレポートありがとうございます!会場の熱気はもちろん新製品ならではの匂いまで伝わってきました。
ただいかんせん、HAL様もおっしゃっておりましたが欲しくなっちゃうので非常に困ります(^_^;)
今回はとりあえず様子見のつもりなんです。ダメです。道連れにしないでください。でもHAMACHI!さんが発売日当日にK20D+DA35マクロの実写レポートなんてされた日にゃヤバイですがね....。
あぁ困るなぁ。
投稿: 丁稚 | 2008.02.08 12:44
丁稚さん,お褒めの言葉,ありがとうございます!
画素数はあまり気にしてなかったのですが,実際に絵を見ると,やはり1.5倍なりの効果はあるなぁと思いました。
パラメーターもかなり変えられるので,K10Dとは,キャラクターがちょっと違うような気がします。
バージョンアップなら我慢できますが,違うカメラとなると…。
>発売日当日にK20D+DA35マクロの実写レポート
丁稚さん,そそのかしてますよね(笑)?
「smc PENTAX-DA35mm F2.8 Macro Limited」は,マクロレンズというよりは,寄れるLimitedとのこと。使いやすそうですよね。
投稿: HAMACHI! | 2008.02.09 07:38