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淡々と…。「死神の精度」

死神の精度
死神の精度
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伊坂 幸太郎
文藝春秋
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ちょっぴりハードボイルドな死に神が主人公。大きな鎌を持ったおどろおどろしい「死に神」のイメージはありません。

「死」を予定された人間に会いに行き「可」または「見送り」の報告をするために,担当する人間の死を見届けるまでの1週間,淡々と仕事をこなしていく。

殴られても痛みを感じない,食事をしても味を感じない,人間の人生にも興味がない。
雨男で,渋滞が嫌いで,でも「ミュージック」には目がない。
時の流れとともに,死神の「千葉」もゆっくり学習をしていく。

その先を読みたいと思うのだけれど,すぱっと切ってしまうのは,余韻ととるヒトもいるだろうし,説明不足ととるヒトもいるだろうな。「カラオケ」も「CD」も「ストーカー」も割と新しい言葉なので,多少違和感を感じるかも。でも,最終章は,未来のお話なのでしょう。

止まない雨はありません。

自分のゲームセットの瞬間,人生を振り返って,ちょっとは満足してみたいなと思った。

多少つながり(伏線)のある短編集。個人的にはもう一ひねり欲しいところでしたが,全編を通して軽く読めます。

映画」の評価はどうだったかわかりませんが,CDショップに行ったら,視聴している人のうち誰が死に神なのか,人間観察したくなりますよ。

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