ニコン(Nikon) D90で感じたこと,撮れたモノ。モノフェローズ・ブロガーセミナー&ショート実写レビュー
ニコンから2008年9月に発売されたHD動画記録にも対応するデジタル一眼レフカメラ「D90」の,みんぽす・モノフェローズ向けにカスタマイズされたセミナーに参加してきました。
当然セミナー内では,物撮りもあるわけで,いつも使っている「ペンタックス・K10D」と「RICOH R10」を持って乗り込みました。でも,なんだか道場破りのようで,ちょっぴりドキドキします。
このレビューは家電・PC・携帯・ゲームレビュー・クチコミサイト「みんぽす」から商品を無償でお借りして掲載しています。(詳細は末尾で)
実は,ニコンのデジタルカメラを使うのは,初めてではありません。(参照:「まわりぶろぐ・デジカメ熱の既往歴」)
今から11年前に発売された初代COOLPIX。これ,ノートパソコンのPCカードスロットにバッテリーを外して差すことができるというアイデアと縦型デザインにやられました。33万画素CCDで1Mの内蔵メモリにノーマル画像で40枚ほど撮ることができるけど,光学ファインダーのみなので,いちいちノートPCで画像を確認しなくちゃいけないのが,ちょっとアレでしたが,すでに「生産終了した製品」の中からも探すことができません。寂しいなぁ。
次が,1998年の4月に出たCOOLPIX900。ニッコールレンズが搭載された初めてのCOOLPIXです。光学3倍ズームの130万画素CCDで,レンズ部が180度回転するスイーバル機構が便利でした。ビデオっぽくないクリアな画像の高精細さに,かなり惚れ込んで撮りまくりました。
この「ニコン・クールピクス100」と「クールピクス900」は,アメリカにいたときに使っていたので,とても思い出深いカメラです。…なんてことを思い出しつつ「ニコンは初めてじゃない,逃げちゃダメだ,逃げちゃダメだ。」と自分に言い聞かせながら,ニコンイメージングジャパンのある田町・グランパークタワーに向かったのでありました。
ニコンのマークですよ(ビビるな!>自分)
グランパークタワー 34階のオフィスの窓からは,雲一つない青空が広がっています。(拡大)
こんなところで仕事をしたら,クリエイティブで伸びやかな発想ができるだろうなぁと気持ちの良い妄想を抱かせてくれる場所が,今回のセミナー会場です。ほんと,見晴らし最高で気持ちいいです。
お話をして下さるのは,D90の生まれるところからマーケティング,販売までも含めての総責任者であるプロダクトマネージャーの中村良夫さん。ニコンのデジタル一眼レフカメラ,ミドルクラスの名機D80を始め,D300,D700,D90を開発してきたヒトです。「売れなかったらクビ」なんておっしゃってましたが,D90は,今年のヒット商品番付にも選ばれるほどの大人気商品ですから,もう大丈夫ですよね。
ニコンの型番は,ユーザーでないヒトには,ちょっとわかりにくいのでおさらい。
D一桁は,プロのカメラマンや報道に使われるプロフェッショナル用のカメラ。最新の機種はD3Xです。
D二桁は,プロのサブカメラとしても使われる,アマチュアからハイアマチュア向けの機種。今回のD90が最新機種です。2年前に発売された「D80」の後継機種です。
D三桁は,ハイアマチュアやプロのサブ機向けモデルになります。最新機種はFXフォーマットのD700とDXフォーマットのD300。D90は,D300と同じ撮像センサーを使っています。
CCDやCMOSセンサーの大きさで,35mmフィルムサイズのセンサーを使っているのが「FXフォーマット」,普及機のデジイチで一般的なAPS-Cサイズのセンサーを使っているのが「DXフォーマット」となっています。D90は,「DXフォーマット」機になります。
さて,D300,D700,D90を「全部私の子どもたち」と言い切る中村さんによる熱いセミナーとその後の驚愕(?)の実写体験タイムへと続きます。
↓
ニコンというのは,どういう会社なのかということで,「企業理念」の説明。
<信頼と創造>
「品質徹底重視」,「最先端技術への挑戦」,「顧客ニーズ尊重」,「最新提案牽引」
クールピクス100なんて,まさに「最新提案牽引」だったんじゃないかな。
医療分野でもニコンのカメラとレンズは古くから使われてきています。
そういえば,僕は,メディカルニッコールだって,使ったことがあることを今,思い出しました。
<ニコンの「鬼の」品質管理について>
極限状態でも一瞬を逃さない耐久性があることが求められる。
「これくらいでいいじゃないか?」ってところもあきらめない。
コンクリートにぶつけても,レンズがついたまま落としても,三脚につけたまま倒れても,壊れないって,すごくないですか?これくらい厳しい技術管理をしているのだから,ニコンは多少割高であっても,選ばれる理由の一つかもしれません。
そうそう,今は,ニコンとキヤノンで市場を二分しているほどですが,昔はキヤノンにニコンのレンズが着いていた時期もあったんだそうですよ。
<ニコンの「世界初」>
ニコンの方がミノルタのαよりも前に自動焦点を達成していたとか,顔認識も,手ブレ補正も,世界初。
地味ですよね。自分たちが一番なのに,イメージは違う会社に持ってかれてしまって…。「アピールが今ひとつ下手な会社」と認識はしているので,そろそろ「攻め」に転じようという訳ですね。
で,
D90で,「世界で初めて」一眼レフカメラに動画を搭載!というわけです。数日違いで。
ただ,「そっちは『世界初のデジイチ動画』称号をあげるから,うちは『世界初のフルハイビジョン動画』をくれよ。」なんていういう水面下での駆け引きがあったんじゃないかと思ったりすると面白かったりもしますよね。いや,たんなる穿った妄想です。
<D90誕生秘話>
未だにキムタクは,ニコンのイメージキャラとしてどうなんだろう?と思っているのですが,ニコンとしては彼を使い始めてから,認知度は確実に上がっているとのこと。まぁ,大人の事情もあるのでしょう。
今まで他のデジイチにはあまり興味がなかったのですが,D80は,発売から2年たっても売れ続けている,価値の衰えないカメラ。名機だそうです。
D300は,APS-CサイズであるニコンのDXフォーマット機の最高峰。
D90の開発は,D80とD300,この2機種が築いたユーザーの期待を超えることを命題としたとのこと。
D90は,ニコンの精鋭達が選ばれて作られたプロダクトチームという集団で作り込んだそうです。
<D90の譲れない思いと葛藤>
D300とD90は,センサー(撮像素子)が同じでなので,上のクラスのD300とミドルクラスのD90が同じ画質になること,ニコンクオリティが追求されたとのこと。
D300の前機種D200に搭載されたファインダーがD90の前機種D80に搭載されたように,今度は,画質面でも中級機の画質で満足せず,D300と同等の画像が出せるようにという意気込みが実を結んだというわけです。
僕自身は,「デジイチで動画,すげーっ!」って単純にインパクトを受けたクチなんですが,確かに「一眼レフカメラで動画は,どうなの?」って声は,僕もD90発表当初からいろいろと聞いてきました。
実は,動画ニーズは,プロのフォトグラファーよりは,報道系から出てきた話なのだそうです。「報道のニコン」と呼ばれている所以でもありますが,「最先端技術への挑戦」,「顧客ニーズ尊重」が合致したというわけですね。
一眼レフ用のセンサーは,もともと動画を撮るような設計ではないので,すべていちから,一眼レフ=”静止画専門機”の動画への挑戦が始まったとのこと。
確かにビデオカメラと一眼レフを同時に持ち運ぶのは大変ですもんね。できれば少ない荷物で,一眼レフ一台でなんとかできるほうが,お客さんの利便性を考えているといえます。確かに。
で,核心の「動画って一眼レフにいるんですか?」ってところ。
基本は,静止画像なんです。動画は基本を,ちゃんとおさえた上での話。
最終ゴールは,「一眼レフの動画って面白いね。やってくれたね!Nikon」と,顧客の意識までも変えられるように頑張ったとのこと。
<動画が生む新しい価値>
目指したのは,一眼レフならではの動画。ぼけ味・レンズ交換・高感度・画像処理など
逃したくない一瞬をスポット的に撮影することを目標にしたとのことです。
レンズ交換式の一眼レフカメラって,基本的には,サードパーティ製のを除けば,会社が変わると他のレンズってつけられないんです。レンズとカメラをつなげる部分を「マウント」と呼びます。で,会社が違うだけじゃなくて,会社の方針が変わると,マウントが変わってしまうということもあって,これがユーザーを困らせたり迷わせることもあるんです。
でも,ニコンは,
写真を長く続けてもらいたい,信頼の証。「Fマウント」と呼ばれるニッコールマウントは約50年の歴史。ペンタックスのKマウントが約30数年ですから,すごいですよね。もちろん,昔のはオートフォーカスなんてありませんでしたから,互換性が無くて,ただ「装着できる」ってだけの部分もありますが,それだって,やっぱりすごい。
で,ニコンさん,ちゃんと用意してましたよ。Nikonの一眼レフがずらりと。
1959年(昭和34年)発売のNikon Fと1965年(昭和40年)発売のNikon F Photomic T
50年前のレンズと最新のレンズを「とっ変えっこ」もできるわけです。
お父さん,おじいちゃんが使っていた昔のレンズで動画も撮れるというメリット,なかなか嬉しいじゃないですか。
1971年(昭和46年)発売のNikon F2と1980年(昭和55年)発売のNikon F3,手前はNikon D1(1999年)。D1の撮像素子は,260万画素ですよ。隔世の感がありますね。
こんなレンズも覗かせてもらいました。600mmのレンズです。撮影ありがとうございます!>まささん!!
話をD90に戻しましょう。
直感的な操作。D300から機能は省かれているものもありますが,操作性は向上しています。D90のユーザーというのは,よりエントリーモデルに近づく分,複雑な機能より簡単な操作を好まれる層。
D300は,「TTL位相差検出方式」と「コントラストAF方式」と,二つ用意されているライブビュー(液晶モニターで被写体を確認しながら撮影できる機能)のオートフォーカスが,「コントラストAF方式」1つのモードしか用意されていません。
ただし,コントラストAFは,D90では,D300に比べてもとても早くなったので一つで良しとされたそうです。(個人的には,よりスピーディーにシャッターが切れる,ソニーのα350のような位相差検出方式を残して欲しかったのですが…。)
二度とない一瞬を,直感的にとらえるために,操作はシンプルにしたとのこと。
そして,「操作の統一」。
ニコンのデジタル一眼レフカメラは,ボタンの配置がどのカメラも同じ位置になるようにデザインされています。
それから,一つのボタンに一つの機能を割り当てるようにされています。ボタン長押しなんて,難しいですもんね。
これは,例えば,D90のユーザーがD300,D700にステップアップした時に,違和感なく簡単に使えるようにとの配慮なわけです。
さて,このあたりでセミナーは,終了。となりの席にいらっしゃったNikonユーザーのgomaさんが,外部音声入力端子は?と聞いてらっしゃいました。現在,研究中とのこと。D90には指向性の強いマイクが内蔵されているそうです。
動画(Nikonは,「Dムービー」と呼んでいます。)でオートフォーカスができないことに関しては,「フォーカスは,マニュアルで操作できた方がいいというヒトもいる。」とのこと,ここで僕は,「そっか!」と納得しましたよ。オートフォーカスって暗いところでは迷ったり,思っている場所とは違うポイントに焦点を合わせてくれちゃったりして,苛つくことがありますし,フォーカスをぼかした所から合わせていくというあたりの見せ方にもこだわれたりしますよね。AF作動中の音もクリアできないとのこと。
さて,ここで,参加したモノフェローズさんには,一人一台ずつD90とキットレンズにもなっているAF-S DX 18-105G VR+それぞれ違うレンズもう一本(僕のは,AF-S NIKKOR 70-300mm)が手渡され,銀座の木挽町にある隠れ家のような和風でモダンなバー「bar cacoi」へ,スタッフの皆さんと一緒に移動。
大撮影大会のスタートです。
いきなり,「さぁ,撮ってください。」って言われてもねぇ…。
だって,こんな薄暗い所とは思っていなかったし,手元は見えないし,表示パネルの見方だってわからないし…,初めてのニコンデジイチだし…とブツブツと呟きながらも,貸していただいたままのデフォルトの設定で撮ってみましたよ。
ISO200 (拡大)
感度設定ボタンは液晶モニターの左にありました。まず,D90の感度が,ISO200始まりなのに,ビックリ。ISO80とかISO100とかの低感度から始まらないのは,ISO200で十分な画質が得られるということと高感度での画質に自信があるということ,ダイナミックレンジを広げるのにも役立っているようです。このあたり,低感度重視だった僕にはかなりのショックでした。
この暗さにちゃんと撮影できる自信がないので,とりあえず,露出補正を3段階変えられるオートブラケットの設定を教えてもらって,感度には特にこだわらずに撮影してみました。
え?「モデルさんは,どうしたんだ?」って?
気がついたら,参加者のみなさん,かわいいモデルさんに群がっているので,出遅れた僕は背後から手元を狙ってみました(笑)。ISO200 (拡大)
続いて横から,
「あーっ,フラッシュ焚いちゃった!」と思ったら,白飛びしてませんね。(拡大) ISO800ですよ。確かにすごいかも。
ISO800 ポートレートモードにすると,暗いところでは自動的にフラッシュがポップアップするようになっているのかもしれません。(拡大)
モデルは,ミス青山学院にもノミネートされていた都甲理恵(とごう・りえ)さんです。キレイで,可愛らしくて,知的で,明るくて,まさに僕のようなモデル撮影会初心者にとっては,ありがたいヒトでした。
この写真なんかは,ISOをオートにしていたらなんとISO1600ですよ。こんな高感度でここまでキレイに写るなんて,ほんとビックリです。
レンズには,VR(手ブレ補正機能)がついていますが,ただ,これを過信してはいけないようです。やはりしっかり構えないと手ブレ写真のオンパレード(→僕です)になります。もう1本渡された70-300mmのVRレンズ(F4.5-5.6)には,35mm判換算で約105-450mm相当の撮影画角になることもあって,狭い室内ではあまり活躍できそうになく,ホンの数分つけて撮影してみたものの,早々に退散してもらいました。
そうそう,もう一つ,焦ったのが,レンズを装着したり後ろ側のキャップを締める方向が,いつものペンタックスと逆なこと。これも最初に警告してくれたら良かったなぁ。
(拡大)ネイルもバーの雰囲気に合わせて,ちょっと和風?(最大に拡大)セーターの編み目にも注目 ISO500
そして,D-movie。撮影は簡単! 背面にあるライブビューのボタンを押して,シャッターボタン半押しでフォーカスを合わせて,OKを押すだけ。カメラ屋さんの店頭におかれているD90だとメモリーカードが入っていないために,これができないことが多いかも。
もちろん,せっかくPENTAX K10DにDA35mmマクロも持っていたので,撮ってみましたよ。(>しょういちさん,ありがとう!!)
でも,さらに,この暗い店内では,ことごとく失敗写真の山。K10Dでは,手ブレ,被写体ブレを止めることもかなわず。
で,補正した写真ですが,なんとか1枚だけ使える写真がありました。
ニコンのスタッフの方が,わざわざこのお店を用意されたのがよくわかりました。
感度と画質の呪縛を取り払ってくれたNikon D90には,すっかり脱帽です。
今回のセミナー&実写体験で撮影した画像をスライドショーでもどうぞ。
これから約1ヶ月の間,Nikon D90をお借りできることになっているので,いろいろと撮ってみようと思います。
次のレポートは,ちょっと軽めに「お食事編」です。お楽しみに。
というわけで,
ぜひ,このレビューを「みんぽす」で評価してください。
(「みんぽす」の使い方)
このレビューはWillVii株式会社運営の国内最大級家電・PC・携帯・ゲームレビュー・クチコミサイト「みんぽす」から、「モノフェローズ」として...「モノフェローズ」サービスに興 味のある方はこちら。
- 商品を無償でお借りして、レビューを掲載しています!
- ブロガーへの報酬、指示は一切ないので、完全に中立なレビューです!
みんぽすのモノフェローズになったいきさつは,こちら。
<参考>
Nikon D90オフィシャルページ
キットレンズ:AF-S DX NIKKOR 18-105mm F3.5-5.6G ED VR
AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)
◆ビックカメラ.comの情報と価格
ニコン D90 AF-S DX 18-105G VR レンズキット
■デジタル一眼レフカメラ ニコン D90■想像を超える高画質を【1泊2日】でレンタルしてみる。
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コメント
> キレイで,可愛らしくて,知的で,明るくて
なんだか、告白してるみたいでドキドキしました…!!笑
投稿: しょういち | 2008.12.16 11:14
しょういちさん,コメントありがとうございます。
ステキなモデルさんやヘアメイクさんまでアレンジしていただき,ありがとうございます。
都甲さん,輝いてましたね。おかげさまで,終始ドキドキしっぱなしでしたが,とても楽しいセミナーになりました。
次回はできるだけ焦りをおさえて撮影に徹したいと思います(←まず無理)ので,また,ぜひ,よろしくお願いします!
投稿: HAMACHI! | 2008.12.17 07:45