iPod・iPhoneに最適なステレオ角度とは?「ロジテック・LIC-iREC03P」
iPhone/iPodでリニアPCM録音ができるマイクアダプター「LIC-iREC03P」がロジテックから8月に発売されます。
このLIC-iREC03Pを,いち早く体験することができる機会を,ロジテックさん,みんぽすのWillViiからご招待を受け,セミナーに参加してきました。
このレビューは「みんぽす」の無償セミナーに参加して書かれています。(詳細は末尾で)![]()
前回は,高音質でステレオ生録ができる,LIC-iREC03P開発の経緯まで,お伝えしました。
今回は,コダワリのマイクに,↑このコダワリの角度が与えられるまでをお伝えします。
ステレオ録音のマイクレイアウトには,実は何種類かあるのです。
↓
マイクを2本並行に配置するA-B方式,無指向性のマイクと双指向性のマイクを縦に並べて録音した音を演算でステレオ化するM-S方式,左右に角度を付けて配置するX-Y方式と,大きく分けて3週類あります。
これも図解で詳しく教えて頂きました。
3方式のそれぞれに長所と短所があるのですが,A-B方式では,1m近くマイクを離す必要があること,M-S方式だと同じ位置で指向性の違うマイクと演算処理の特別なプロセッサーが必要になることiPod/iPhoneのサイズでアクセサリーとしてのマイクを考えたときに,選ばれたのは,X-Y方式でした。
でも,これ,単に角度を付ければいいってもんじゃなかったんですね。角度が適切でないと,左右の音の分離が悪くなるし,角度が開きすぎると,センターの音が貧弱になるためです。
適切な角度とマイクの離れ加減を決めるのに,とてつもない時間と手間がかけられました。
笑っちゃいけませんよ。予算の限度もあったのかもしれませんが,これ以上に詳細かつ適切な角度決めに適当な試作機ってないんですから。(ホントは,iPhone3GSが出たのと同時に発表したかったとのこと。)コレを決めるのに,どれだけこだわっているんだか,わかりますよね。こういった地道な努力も,親しみがわいてきます。
で,導かれたのは,「角度90度,マイク間距離20mm」
えー?いいの,そんな企業秘密,公開しちゃって?!
と,思いましたが,まぁ,これは製品化されてしまえば,すぐにばれちゃうことですね。
このX-Y方式の場合,気がつかれたかもしれませんが,右の音を拾うのは,左のマイク。左は,右のマイクです。2つのマイク間の距離が離れすぎると「逆ハース効果」といって,音が届く時間差が大きくなるので,音の位置(定位感)がわかりにくくなってしまうのだそうです。なるほど!
で,一番上の写真のように,ちょっとだけ上向きにマイクが付けられているのは,机などに置いたときの反射音のや振動の影響を少なくするためのもの。
ロジテック社内でのLIC-iREC03Pの開発コードは,「クワガタムシ」。
そして,マイクユニットには,優れた周波数特性を持つ,マニアに人気のパナソニック製WM-55A103。
さらに,ライブ録音の時に便利な,適切な音量レベルで録音するためのオートゲインコントロール(自動でレベルを調節する)と,録音レベルをマイナス20デシベル(dB)まで下げて音割れを防ぐスイッチ切り替え式のアッテネーター,そしてピークインジケーターがついています。可変ボリュームコントローラーも付けることは検討されたようですが,この中に収まるクオリティのよいもので,かつノイズが載らないものってのは,無理だったとのこと。いや,コダワリの割り切りです。
いい音がとれる条件は,揃いました。
その他,ユーザーの使い勝手を考えてLine入力に対応している(これ,ライブ会場でアッテネーターも効かないくらいの大音量の時に使える裏技のキーになります。)のと,風切り音を防ぐためのスポンジ製の帽子(ウィンドスクリーン),USBmini端子もついているので,LIC-iREC03Pをつけたままで電源供給とPC接続ができるメリットも。
(オススメの設定)
で,
iPodでは,LIC-iREC03Pをセットすると,すぐにiPodのアプリケーションが反応して,"ボイスメモ"のメニューが表示されるようになります。iPhone 3G,3GS,およびiPod touch(第2世代以降)では,OS 3.0以降の機能として新しく搭載されたボイスメモに対応するのはもちろんですが,そのほかマイクを使用するアプリケーションにも対応しています。その場合,録音形式は各アプリケーションに依存します。
株式会社ユードー「Yudo Rectools 02」。
LIC-iREC03Pを開発,検証するのにも,使われたアプリケーションです。
今定価1,700円のところ,450円と,バーゲンプライス中ですね。
今回の商品を使った録音デモを体験する目的で,ロジテックとは無関係の会社のソフト「Yudo Rectools 02」の無償提供を受けました。
市販されているICレコーダーと比較すると,当たり前のことですが,iPhoneの画面が大きいので操作性も良く,ちょっと暗めな画面も,ライブ会場では,目立たなくてちょうど良さそうです。ちょっと速度は遅くなりますが,WiFiでPCやMacのブラウザ経由で録音したファイルをダウンロードすることもできるハズ…なんだけど,僕の環境では,うまくいきませんでした。また,トライしてみましょう。
リニアPCM録音にこだわらなければ,実際には,内蔵されている「ボイスメモ」も含めて,もうちょっとシンプルなアプリケーションでも問題ないと思います。
さて,ここまでお膳立てが整ったところで,なんとセミナーでお話ししていた開発部AVチームリーダーの遠藤さん自ら,僕らのためにフィールドテスト環境を提供して頂きました。
一緒にフルートを吹いて下さっているのは,遠藤さんの奥様。夫唱婦随…かどうかわかりませんが(笑),夫婦和合の開発者セミナーに,なんだかうっとり。ご自分たちが所属するオーケストラでも,何度となくテストがおこなわれたようです。
iPhone/iPod Touch内で音楽編集ができてしまうRectoolsは,バージョンアップされていくようです。LIC-iREC03Pには,このアプリがないと使えないということではありませんが,フォローしてみてもいいのではないかと思います。
録音も無事済み,再生された音は,確かに,iTunesで購入した曲にありがちなひずみも感じることなく,もちろん,音割れもなく,貸して頂いたヘッドフォン(WillViiの塚崎社長曰く,1万円以上のを買うべし)のクオリティも高く,かなり再現性の高いものでした。iPhoneじゃないみたい。塚崎社長には,セミナー中も僕ら素人のために,遠藤さんのお話をさらに噛み砕いて聞き漏らしや理解できないところがないように配慮されていました。いや,すごいセミナーだ。
コンパクトでリーズナブルなというには申し訳ないほど,音へのコダワリが凝縮されたクオリティの高いロジテック・LIC-iREC03P,録音専用機を買うほどではないけれど,きちんと録音ができるといいなというiPod/iPhoneユーザーに,ぜひ一度試して頂きたいアクセサリーです。
というわけで,
ぜひ,このレビューを「みんぽす」で評価してください。
(「みんぽす」の使い方)
このレビューはWillVii株式会社が運営する レビューサイト「みんぽす」から招待されたセミナーに参加して書かれています。 本セミナーへの参加及びレビュー掲載は無報酬です。また、WillViiは掲載内容に一切関与していません(本情報開示と事実誤認時の修正を除く)本セミナーに参加された他の方のレビューはこちらのみんぽすTBセンターでご覧になれます。(WillViii株式会社みんぽす運営事務局)みんぽすのモノフェローズになったいきさつは,こちら。
ロジテック【LIC-iREC03P】iPod Dockコネクタ搭載 iPod対応 録音アダプタ【予約受付中!8月中旬発送予定】
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