これは,映画だ。「2012」
ローランド・エメリッヒ監督の『デイ・アフター・トゥモロー』が,とても良かったので,大絶賛公開中の『2012』を見に行ってきました。
2009年。太陽の活動が活発化し,地球の核が熱せられた結果,3年後に世界は終わりを迎える—。この驚愕の事実をいち早く察知した地質学者エイドリアン。売れない作家のジャクソンは,別居中の子供たちとイエローストーン国立公園にキャンプに来て,偶然,政府組織の動きを目撃する。
「2012」解説とあらすじの詳細(by goo映画)
↓ネタバレありで続きます。
ジャクソンは,心が離れてしまった家族をひとつに戻したいと思っています。古代マヤ人が2012年の冬至ごろに人類滅亡の危機が訪れると予言した未曾有の大災害を前にして,エイドリアンは政府側にいることでの葛藤,ジャクソンは家族を守るために全力をつくすというストーリーなのですが,彼らと関わった親しい友人とその家族,ストーリー上メインキャラではないけれど,愛すべき人たちが,次々と津波や地震に飲み込まれていくのは,なんだか切なかったですよ。
この家族にとっては,ハッピーエンドなのかもしれないけれど,それが実現されるために,本当にその人たちが死ななければならなかったのかと,途中から,なんだか冷静になってきてしまって,いや,人間の死をストーリーに次々と挿入することで,映画を,より感動的なものにしようというのは,ずるいと思うんですよ。
映像は,肩に力が入っちゃうくらい,スゴイですよ。ほんとに。VFXだとは思えないくらい,リアルで迫力があります。真っ二つになって崩れていくビルディングから,ぶら下がってじたばたしている人間まで詳細に描写されています。バチカンで祈りを捧げる人々に,冷酷にも大聖堂が崩れていきます。
でもね,死をあまりに軽んじているように思えてしまって,萎えました。いくらソニーピクチャーズだからって,VAIO出し過ぎだろ?とかも。
後半に「船」が出たあとのストーリー展開は,さらにグダグダなので,ちょっとね。
アメリカ合衆国大統領は,「リーサルウェポン」のダニー・グローヴァーが演じていました。黒人大統領だったのは,たまたまだったのかもしれませんが,一瞬映し出された,日本の総理大臣が,ちょっと麻生元首相に似ていたように感じたのは,ご愛敬でしょう。
「ノストラダムスの大予言」なきあとは,古代マヤ人の暦が,2012年で終わっているのを,新たな終末予言とする向きもありますが,まぁ,NASAもこの映画の公開を前に,「そんなことはありえない」と否定しています。マヤ人の暦も人類の絶滅や大災害を予言しているわけではないようなので,ノストラダムスほどの盛り上がりは見せないとは思います。
5年前の「デイ・アフター・トゥモロー」(公開時のレビュー)は,急激な氷河期の到来により世界がパニックに陥いる話ですが,ここでは,親子の絆と青春ロマンスがテーマになっていました。この映画でも大切なキャラクターもやはり亡くなるのですが,「2012」ほどではなく,ストーリーもよく練られていたので,やはり,ローランド・エメリッヒ監督の代表作は,「ミクロの決死圏」の公開を控えてはいるものの,「デイ・アフター・トゥモロー」だなぁと思うわけです。
大画面と音響のすぐれた環境で観るべき映画だと思います。
パンフレットは買いませんでした。
61点
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コメント
つっこみどころはいっぱいあるんだけど、このテのパニック(?)ムービーは好きです。
昔から、ジョン・キューザックはラブリィ
投稿: やすぞう | 2009.12.18 21:59
やすぞうさん,コメントありがとうございます。
ジョン・キューザック,お好きですか。渋いですね〜。
頭を空っぽにして楽しめる映画,来年もたくさん観たいですよ。
投稿: HAMACHI! | 2009.12.27 17:24