「撮リプルキレイ」のしくみ(その1)。キヤノン・フルHDデジタルビデオカメラ「iVIS(アイビス) HF M31」
「まわりぶろぐ」を読みに来ていただいている方なら気がついていらっしゃるかもしれませんが,今まで,動画系のデジタルガジェットのレビューは,あえて,してきませんでした。
理由は簡単。動画を扱うのは面倒だからです。
あ,下手クソってのもありますね。(←こっちだ。)
ビデオカメラを持っていないわけじゃありません。Hi-8のカメラを2台,DVテープ用のカメラを1台。
でも,残念ながら,ここで,僕のビデオカメラの履歴は止まったままです。
ま,それはさておき,最近は,デジタルカメラでも,ハイビジョンが撮れるのが極々普通になってきています。自分でもハイビジョンかどうかは特に気にすることなく,デジイチでも,コンデジでも,「ここは,動画だな」ってときは,ビデオカメラのマークにダイヤルを合わせています。
動画じゃないと伝わらないモノも多いですし,YouTubeやニコ動が流行るのも,そうですよね。
で,ムービーを撮ったら,「見せる」,「見る」という段階が必ずといっていいほど,あるわけで,そこが静止画と比べて,敷居が高いところではないかと思っています。いや,そんな意識する部分じゃないのはわかっていますよ。
自分で「撮って」,自分が「見る」だけだったら,そんなにこだわる必要はないのですが,「見せる」になると,「撮る」ときのソースの良さが,けっこう問われるのではないかということと,その後の編集も重要になってきますよね。
撮る時には,被写体を追うのに必死になるじゃないですか,で,撮り終わって再生してみると,画面の揺れに,自分で酔ったりして(笑。
画面や顔が暗くて,がっかりとか,ここは,こんな色じゃなかったとか,ありゃ,フォーカスが合ってないとか…。もう,トラウマ満載なわけです。
ところが,そのあたりを徹底的に研究して,簡単に撮ることができるように開発されたビデオカメラが出てきてるようなんですね。そのひとつが,「撮リプルキレイ」をうたう,このキヤノンのiVISというシリーズ。(→スペックレビュー)
たぶん,5年ぶりくらいに,ビデオカメラ,触りました。
最初に思ったのは,「小さい!」
当たり前です。ビデオテープが要らないんですから。
手でホールドしてみて,「軽い!」
これも当たり前,ハードディスクだって入ってません。
記録は内蔵メモリー(32GB)とSDカードです。
キヤノンといえば,多くの人と同様,まず「カメラ」だと思いますよね。
僕もキヤノンのカメラを何台か持っていますが,キヤノンのムービーカメラは,気にはなるけど,どうなんだろう?
きっと光学系は,強いんだろうなというイメージ。
で,セミナーの冒頭,キヤノンの動画への取り組みをみて,8mmのシネカメラから始まっていたんですね。これが,1956年。フィルムで撮る8mm,たしかに僕の子供の頃,流行っていたような気がします。でも,再生するところは,数えるほどしか覚えていません。そうだ!撮影機と映写機が別々に必要だし,意外とこれ,敷居が高かったのかもしれません。
で,ビデオテープのHi-8規格のVM-E1が1985年,デジタルビデオカメラ1号機のMV1が1997年,一般向けハイビジョン対応のiVIS HV10が,2006年と,日本のメーカーの中でも最も長い間取り組んでいる企業が,キヤノンだったのです。知りませんでした。
■キヤノンのこだわりと強み
「画質」に徹底的にこだわる「光学」メーカーとして,デジタルカメラ,ビデオカメラは,最高の「レンズ」を核として事業展開をしてきたとのこと。
「光学メーカー」キヤノンの強みは,デジタル時代に高画質を実現する3要素,つまり,レンズ,CMOSセンサー(映像素子),映像エンジンを,すべて自社で開発しているところ。特に大切なのは,レンズ。ここがダメなら全てが無駄になってしまうと言い切ります。
■HD時代に重要なのは「レンズ」
iVIS HF M31のレンズユニット
いかに多くの情報を正確に取り入れるかが,まず情報の入力口である「レンズ」に問われます。人間で言うと,角膜→網膜→脳での処理が,デジタルビデオカメラでは,レンズ→センサー→映像エンジンという流れになります。
レンズは,角膜。特に,ここが大事になります。
今までの4:3のSD画質(アナログの「標準画質」)の世界から,16:9のハイビジョン(HD)に移行するにつれ,目立つようになったのはSDの画質のイマイチなところ。情報量の少ないSDで撮った映像をSDで見る分にはレンズの性能差も出にくく問題ないのですが,HDが一般的になると,レンズの性能差が,映像の情報量の差となって,素人目にも明らかにわかってしまうようになるわけです。まぁ,ハイビジョンのあとの規格として,スーパーハイビジョンも待っているわけで,ユーザーとしては,どこまでついていけばいいの?とか思うところもあったりするわけですが,とにかく,被写体を最初に捉える「レンズ」が,画質を語る上で,一番重要なパーツとなります。
ムービーでもレンズの良さが基本で,キヤノンも「光学メーカー」としての意地があります。解像力,周辺光量,MTF曲線,コントラスト,収差…など,基本性能においては妥協はできません。高画質であると同時に,ズームの高倍率化,ボディの小型化も実現していく必要があります。
ただ,「画質至上主義」となると,価格,操作性,機能,重さ,デザイン,大きさ…など,いろいろとバランスがとれなくなってくるところもあるわけで,「レンズの質をゆずることのできない難しさ」と相まって,このあたりの設計とゴールへの落とし込みが,iVISシリーズの核心部分となってきます。
■「撮リプルキレイ」
そこでキヤノンのムービーカメラ「iVIS」が目指すゴールは,「最高画質をみんなの手に」。
単に最高画質で撮れるだけでなく,「簡単に」それが実現できること。
それを「撮リプルキレイ!」というキャッチフレーズに表しています。
この「撮リプルキレイ!」を実現するのが,「こだわりAUTO」,「新・手ぶれ補正」,「タッチ追尾」の3つの機能。
「論理的に高画質で撮れるはず」というのではなくて,誰が撮っても,どんな条件で撮っても,高画質が実現できることをこの新しいiVISシリーズに託しました。
■こだわりオート
それはキヤノンが20年来の夢であったことの実現。
人,距離,明るさ,色,動きなどの情報を,ユーザーが意識することなく自動で設定,自動で最適なシーンとして補正できること。デジタルカメラで使われた「こだわりオート」という名称を,ビデオカメラでも使うことにしました。
この機能のすごいところは,単に青空,夜景,人物を認識,青空と人物,逆光と人物などの組み合わせも判別して,人物の有無や動き情報,被写体との距離や明るさ,色合いなどを31シーンに分類して,自動で適切に処理してくれるところ。
学芸会でスポットライトを当ててもらった我が子の顔や洋服が白飛びしちゃうなんてコトもありません。人物は,静止している状態と動いている状態を検出できるようになりました。鮮やかなモノはより鮮やかに,夕焼けは,「逆光」と「夕景」の判定を安定して識別し印象的な色と明るさを再現,夜景は,暗い中でのイルミネーションを検出できるように開発されました。
で,この機能を検証するために,キヤノンの誇る開発陣が人海戦術で数百パターンのシーンを地道に検証して,実際の披露宴にテスト機を持ち込んだりしたなんてあたりは,聞いてる僕もちょっと涙が出そうなくらいの努力。
「しらみつぶし」とは,このことですよ。
キヤノンは,ビデオカムコーダーにも,デジカメと同様の「DIGIC」の名前を持った映像エンジンを載せてきています。現在は,3代目の「DIGIC DV III」が,逆光,青空,夜景,夕景などのシーンから得られる情報をもとに最適なパターンを設定して,撮ってくれるようになりました。
というわけで,
ぜひ,このレビューを「みんぽす」で評価してください。
(「みんぽす」の使い方)
みんぽすのモノフェローズになったいきさつは,こちら。
<参考>
キヤノン・デジタルビデオカメラ iVIS HF M31オフィシャルページ
「アイビス」HF M31
Canon(キヤノン) フルハイビジョンデジタルビデオカメラ iVIS(アイビス) HF M31の価格・在庫情報(楽天)
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