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想像力と計算力と情熱と。原 久路写真展「バルテュス絵画の考察II」

デジカメWatchの記事を見てから,それがまた,御茶ノ水のbauhausで開催されていることを知ってから,行きたい,行きたいと思っていた写真展でした。

最終日にやっと行くことができました。

写真展のタイトルの通り,ピカソも大絶賛したフランスの現代画家,バルテュスの絵画をモチーフに写真作品として,再構成されたものです。

原さんご自身もギャラリーにいらっしゃっていて,お話を伺うこともできました。

バルテュスの絵画を,オリジナルなままに写真にするのではなくて,日本人のモデル,大正時代に建てられた家屋兼医院を撮影場所に選んで制作されたもの。写真展では,バルテュスのオリジナルの絵画と原さんの写真の対比して見られるようにしたフォトブックも用意されていて,写真そのままでも鑑賞できますが,やはり,オリジナルが,どのように,原さんの中で再構成されたのかを見ていく楽しみもあって,これはとても親切だなぁと思いました。

デジカメWatchにもある手術台のシーンは,オリジナルの作品とは背景も全く違うので,「どうして,手術台と,この部屋になったのですか?」とお聞きしたら,「この部屋に入った瞬間,オリジナルの山の絵は,ここだって思ったんですよね。なぜだかはわかりません」とのこと。想像力の飛躍に圧倒されました。

カメラは,ペンタックスの67。部屋にはスモークを焚いて,多重露光で,セーラー服のモデルさんは,一人二役もこなすばかりか,原さんご自身も学生服で登場されています。人物は,オリジナルと同じポーズを,でも,背景の布のひだまでそっくりにしているものもあれば,全く違うモノもあったり,写真のトーンも,セピア色だったり,モノクロームだったりと,また,オリジナルと比べると,クスッと笑えるような写真もあったりと,かなり多彩な写真が20点以上展示されていました。

「67は,シャッターを押すと,微妙にフィルムが移動するんですよ。」「なので,ほら,この写真をよく見ると,タイルのラインがずれているでしょ?」「奥の人物と,手前の人物に焦点があっているのに,中間がぼけているのは,多重露光だから。」「スモークとレンズのボケ味,自然光で,やわらかいトーンがでるんです。」なんて,解説までしていただいて,短い時間でしたが,とってもプレミアムな時間をすごすことができました。

その写真を作品にするために,どれだけの準備と考察を重ねて,作品に情熱を注いだかを思うと,原さんの想像力の豊かさと精緻な計算力によって生み出された写真は,いつまでも見ていたいほど心を奪われるものでした。

twitterでフォローしていただいたスタッフのナツミさんにも,感謝!

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