NEX-5/NEX-3に見る体育会系ソニースピリットと開発秘話(実写画像あり)
5月11日に発表されたソニーのミラーレス一眼「NEX-5/NEX-3」の発表イベントで開発に至る経緯を,開発者の方から直接聞いてきました。会場は,メディア向け発表会が行われたその場所でした。
さながら遊園地のような会場で,開発者の面々が待っていてくれました。
写真右から,
ソニーパーソナルイメージング&サウンド事業本部 統括部長で,NEXのプロジェクトリーダーである手代木英彦さん
外装担当の岸政典さん。α900なども担当
ソフトウェア制御担当の武村秀信さん
ソフトウェア制御担当の磯部幸雄さん
デザイン・UI担当の奥村光男さん
ソニー30年のデザイン統括リーダーの新津琢也さん
初めに,手代木英彦さんからのNEX-5/NEX-3のお話から。
手代木さんは,本日5月14日午後10時55分からNHKにも出るそうですよ。
NEX-5/NEX-3の特長は,
○一眼レフカメラの高画質を静止画でも動画でも
○コンパクト&スタイリッシュ
○レンズ交換式だから豊かな表現力
○創造性をかんたんに
○手軽にキレイなフルハイビジョン動画撮影
○7コマ連写
小さなカメラだからといって,使い勝手が悪くなってはいけないので,UI(ユーザーインターフェース)には,こだわった。見た目にも使いやすく,実際に使っても簡単に使えるカメラを作りたかった。
ボディが小さくなった分,付けられるボタンやダイヤル類も数が限られるので,ケータイでも一般的なソフトウェアキー(状況に応じて機能が変わるボタン)とコントロールホイールで,親指だけで操作できるようにしたとのこと。デザインは,最終的なものができあがる直前まで,モードダイヤルがあったとのこと。
NEX-5(「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」で撮影)
開発の話が持ち上がったのは,2008年の年末。
最初は,αを小さくしただけのカメラっぽいデザインから始まったのですが,コンパクトデジタルカメラと同等のサイズまで,小さくするためには,限られた時間の中で数々の試行錯誤があったようです。約1年ちょっとの開発時間で,ここまでのものを仕上げるのは,相当大変だったと思います。
一眼レフがあの大きさなのは,画質や機能を維持するための理由があるわけですが,これを,世界最小一眼のNEXに実現するためには,ソニーお得意のとは思いますが,高密度実装デザインを突き詰める必要がありました。上の図でわかるように,レンズの金属とマウント部の金属が同色であるために,ボディがさらに薄く見えるというデザイン上の工夫もあります。
10年前に発売されたサイバーショットDSC-F505V。その前の機種DSC-F505Kもそうですが,レンズがどーんと張り出しているNEXのデザインは,F505に雰囲気が似ていますよね。200万画素程度で販売価格は10万円以上しました。スペックだけを見ても隔世の感があります。そのうち,NEXのレンズラインナップにも,カールツァイスレンズが入ってくるのでしょうね。さらに昔になりましたが,ズームレンズだけのようなデザインの,キヤノンから出ていたオートボーイJETというのもありましたが,今,あのデザインでAPS-Cサイズで出すというのもありかなぁと思います。まだミラーレス一眼市場の様子を見ているキヤノンがJETを復活させると面白いと思うんですけれどね。
一眼を小型化するというと,やはり引き合いに出されるのは,マイクロフォーサーズシステム。
マイクロフォーサーズのセンサーは,一般的なデジイチに搭載されているAPS-Cサイズのイメージセンサーより小さく,その分カメラは小さくなりますが,理論的には高画質を実現するためには不利になります。
APS-Cサイズのイメージャーを搭載したNEX-5/NEX-3が,マイクロフォーサーズのカメラよりも小さくできてしまったというのは,パナソニックやオリンパスにとって,かなりショックでしょうね。
一眼レフの高画質というのは,センサーだけではなく,レンズによってもかなり左右されるので,NEXに採用されたE-mountレンズのクオリティも当然求められていきます。発表時には,キットレンズとして,「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」と「E16mm F2.8」が,2010年秋に「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」が発売予定になっています。
「E16mm F2.8」(「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」で撮影)
「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」ワイド端(「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」で撮影)
「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」テレ端(「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」で撮影)
だ,誰ですか?「18-200mmは,ステンレス魔法瓶みたいだ」なんて言う人は?いや,たしかに金属なんですが,このレンズはアルミフィニッシュです。質感は,とてもいいですよ。発売日も決定していない「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」で撮らせていただいたのにも,びっくり。
で,これが,「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」。 「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」と「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」には,光学式手ブレ補正機能を内蔵。
背面の液晶モニターは,なんとチルト式になっていて,
上方向に80度,
下方向に45度チルトさせることができます。
このチルト機構の一部をボディ内にめり込ませることで,厚みを減らす工夫があるとのこと。最初のモデルからこれをやってしまうんですから,すごい!次のNEX-7が,どんな仕上がりを見せてくれるのか,楽しみですよね。
開発期間はおよそ1年。短くないですか?!
目指すは,ユーザー,社会,自分自身をワクワクさせること。プロジェクトチームは,新αの「ソニーらしさ」って何だ?というところから,議論が始まりました。一眼レフを小さくしただけのデザインは,ソニーらしくない,ビデオカメラもデジタル一眼レフもコンパクトデジタルカメラも作っているソニーが,ソニーらしく,もっと小さくしたらどういうものが作れるか,まずは,通常最後に作られるカタログと発表文を最初に作って,これを同じゴールを目指せるよう共有することが決められました。
そのゴールが「世界最小一眼クオリティ」。写真も動画も「一眼クオリティ」を,全ての人に。
というわけです。
「当然液晶はチルトするんだよね」とか,「2010年6月に発売すること,決めちゃたから」とか,追い込まれてもなお期待されている以上のものを作り出す,ソニースピリット。VAIOでも同じようなお話を聞いたような…(笑。でも,この体育会系のノリが,ソニーらしさをつくる原動力になっているんだなぁと,ニコニコしながら,お話を聞きました。
ちょっと長くなってきたので,続きは,また後ほど。
<続く>
そうそう,タッチアンドトライのできるNEXの体験会が,東京,名古屋,大阪で開かれますよ。ぜひ!
今回のNEXの実写レビュー一覧です。
第1回目:ファーストインプレッション
第2回目:動画について
第3回目:機能と概要について(本記事)
第4回目:デザイン・外観とサイズについて
第5回目:オートフォーカスとまとめ
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