制限のないW録画へ。ソニー・BDレコーダー
2010年秋に順次発売されるソニーのBlu-ray Discレコーダ新モデルのモノフェローズ・ブロガー向けセミナーにご招待いただきました。
前編はこちら
場所は,ソニー本社ビル。全面ガラス張りの建物。見通しが良くて,開放感があるのは,仕事の効率,アイデアのひらめき,コミュニケーションにも,きっと良い影響がありそうです。
ロケットスタート起動のデモに使われたのは,2010年10月22日発売予定で,中核モデルのBDZ-AT500。
カタログを見た限りでは,BDZ-AT300Sがシングルチューナーであること以外は,それぞれのモデルの違いは,おおざっぱに言ってしまえば,ハードディスクの容量ってことになるようで,これって,実は,最高機種の機能は,階モデルでもカバーされていることなので,予算によって,機能差を気にすることなく,機種を選ぶことができるのは,すごく親切な気がします。
ほら,よくあるパターンだと,まぁそんなに使う機能じゃないにしろ,この機能も,この機能も欲しい…,って考えていくと,結局最高機種を選ばざるを得なくなるじゃないですか。
もちろん,最高グレードのBDZ-AXシリーズについては,パーツも付属のケーブルもかなり高級なモノが使われているようですから,目と耳の肥えた人には,やはり迷ったら最高機種を,ってのが,正しい選択なのだとは思いますけれど。
なので,下位機種を選んでも,3Dに対応してないとか,「パッと起動」しないなんてことはありません。この辺は,実にフェアだなと思います。
今までのユーザーの不満がどこにあったかというと,
圧倒的に,起動に関するものだったわけですが,これは,今回のモデルで,通常起動,急速起動ともに,ほぼ解決しました。
で,残ったのは,録画中,再生中,ダビング中の制限が,わかりにくかったこと。
ユーザーが思う「W録画」機能というのは,1つ機械の中に2つ同じレコーダーが入っているイメージですが,今までのソニーのBDレコーダーでは,「録画1」,「録画2」と分かれている上に,例えば,「録画1で録画中に,BDディスクでの再生ができない」とか,チャンネル切り替えができないとかといった,同時動作時の制限が複雑に存在したこと。
↓
これについては,録画ソフトウェア担当の山内さんが説明してくれました。
そもそも「録画1」,「録画2」という名称そのものが存在すること自体,ユーザーにとってはわかりにくい。ユーザーの思う「W録画」からはほど遠く,録画中にできること,できないことがあることがストレスになっていると判断。このストレスを解消することで,レコーダーとしての基本機能を大幅に向上させることができると考え,新しいBDレコーダーのソフトウェア開発に着手しました。
一番簡単で効果があるのは,デジタル録画用の最も重要なパーツである「エンコーダー」を2つ積むこと。でも,これはコストにダイレクトに跳ね上がってしまうため,価格競争ではかなり厳しくなると,議論の末,開発当初は否定されていました。
値段に跳ね返るため,上位モデルのみに機能を搭載するという折衷案もあったようなのですが,「W録」すべてのモデルに載せたいという「夢」を,録画チームのみなさんはあきらめませんでした。
で,
ここからがソニーらしいところなのですが,
今回の新モデルでは落とされかけていたダブルエンコーダー機能,実は,上司には内緒で,影でこっそりと開発が続けられていたのです。
「新しいアイデアは,上司に隠れて内緒で作れ」。ソニーの副社長だった大曽根幸三さんの言葉です。
他にも,大曽根語録には,VAIOやαのセミナーやイベントなどでも,聞いたことがあるような,いかにもソニーらしい社員の行動規範となっていたんですね。
「意志の力で成功しないときには,好機の到来を待つほかない」
で,
できちゃったわけです。最終的には。
いや,あきらめないで続けたこと,その間の努力もすごかったと思いますが,達成できちゃうところもすごいですよね。
起動時間がとんでもなく短くなったこともそうですが,完全に制限のないW録画機能が,チューナーを2つ積んでいるモデルでは,すべてに実装されたわけです。
CMやシーンの切れ目で、自動的にチャプタを付与する「おまかせチャプタ」の仕掛け人,システム設計の辰巳さんからハードウェアのお話がありました。新シリーズでは,AT300Sで,厚み49.5mmを実現(AT500,700,900では,56mm,AX1000,2000では,81mm)。内部を見せてもらいましたが,ブルーレイレコーダーって,ほとんどハードディスクとドライブの厚みなんですね。将来的には,きっとSSDが搭載されるんだろうなぁ…。奥行きもかなり旧モデルに比べて減少しているようです。置く場所に困らないですね。2台買って重ねて,「クワトロ録画」なんてヒトもいそうです(笑)。
なんと,今回のセミナーに参加したモノフェローズのブロガーさんには,最上位機種のBDZ-AX2000を貸し出していただけるとのこと。
え?だれですか?「BD使ったことないヤツには,猫に小判だ」なんて,言っているヒトは?
いいんです。初ブルーレイレコーダーの体験がじっくりできるわけですからね。
え?そんなこと言ってないって?「豚に真珠」の方だって?!
コホン。
さて,
録画再生のストレスがなくなったので,今度は,もっと便利で,操作性のさらなる向上というテーマが残っています。
ハイビジョンに対応した番組表を表示し,番組を選んだら,リモコンの「録画」(一発予約)ボタンを押すだけで録画予約が完了です。
リモコンも,ボタンを見直して,だいぶ短くなりました(上が新しいリモコン)。一発録画ボタンが加わっています。
録りたい番組を自分専用の「MY!番組表」からパッと,録画できるようになりました。
予め,興味のあるジャンルや,好きなタレントの名前などを登録しておけば,関連する番組だけを集めた自分専用の番組表が自動作成されます。
人名やジャンルなどのキーワードは,一つ一つ入力することももちろんできますが,表示された番組から拾うこともできます。便利!
で,もっと便利にするためのツールが,iPhoneやandroid携帯からの番組予約ができるウェブアプリケーションの「Chan-Toru」
これは,ヴィジョンアーツ株式会社の長坂さんから,説明がありました。
最近では,peta-mapの開発などにも携わっている方です。
で,この「Chan-Toru」は,「ちゃんと録る」からきているわけで,オヤジギャグみたいなネーミングですが,外出先からでも好きなときに番組の録画予約をしたり、いつでも録り貯めた番組コンテンツの整理ができるようになるという,とっても便利な,なんでβ版なの?ってくらい使えるアプリケーション。
レコーダーの中に見たいものがたくさん入っているのが,「レコーダーの一番の幸せ」。この手伝いがどこからでもできるのが,「Chan-Toru」。放送中の番組リストもみられるので,出先で「あ,録画予約してない!」と気がついたときでも,これがあれば,かなり助かること,請け合い。番組表はもちろん,ランキングや番組検索も可能です。
ユーザーからの意見を取り込み,ユーザー目線で成長を続ける「Chan-Toru」は,9月25日頃に,「あっ?」と驚くバージョンアップもあるようですよ。
欲を言えば,ウォークマンやPSPで録画したモノを持ち出せるだけでなく,androidやiPhoneでも観られるようになると良いのに…と思ったのですが,これは,ガラパゴス化してしまった著作権ガチガチな日本の厳しい現状を何とかしないことには,実現できないとのこと。ソニーのせいじゃありません。他の国ならできることが,日本ではできないというのは,余計なリソースが日本向けに別口で必要になるということなので,このあたり全然エコじゃないですよね。なんとかしてくださいな,総務省さん(でいいの?)。守るべきは,自分たちの懐具合じゃないですよ。
「Chan-Miru」(ちゃんと観られる)のシステムも欲しいよね。
というわけで,BDZ-AX2000の体験編へと続きます。
ぜひ,このレビューを「みんぽす」で評価してください。
(「みんぽす」の使い方)
SONY(ソニー)320GB HDD内蔵 ブルーレイ3Dディスク再生対応ブルーレイディスクレコーダー BDZ-AT500
【予約受付中】SONY(ソニー)500GB HDD内蔵 ブルーレイ3Dディスク再生対応ブルーレイディスクレコーダー BDZ-AT700
【予約受付中】SONY(ソニー)1TB HDD内蔵 ブルーレイ3Dディスク再生対応ブルーレイディスクレコーダー BDZ-AT900
【予約受付中】SONY(ソニー)1TB HDD内蔵 ブルーレイ3Dディスク再生対応ブルーレイディスクレコーダー BDZ-AX1000
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