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「夢」から「現実」へ。ボーイング 787 ドリームライナーお披露目のイベントに行ってきました。

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全日空機体メンテナンスセンターで行われた,ボーイング787の日本でのお披露目のメディアイベントとブロガー向けイベントに,AMN経由で招待していただきました。

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いわゆる記者会見ってやつです。報道関係者として潜入しました。
いや,ちゃんと「PRESS」のホルダーつけてましたよ。
格納庫って,テレビとか映画では見たことがありますが,たぶん,実際に入ったのは初めて。

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入り口でプレスキット(おみやげ)と水をいただき,会場に。
広いですね。

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日本には,ボーイング787が7月3日の日曜日に到着。アジアでは初めて。
そのシーンを,すでにたくさんの飛行機ファンのヒトがブログや写真に記録しています。
例えば,→日本初着陸の BOEING 787 を撮ってきた(クマデジタルさん)
ボーイング787は,たくさんの関心を集めている最新型機です。

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7月4日(月)に,ボーイング787型機の就航準備の一環として,ボーイング社とローンチカスタマーのANAは,アジアで初めて日本に飛来させ,国内でのSROV(Service Ready Operational Validation)を実施することになりました。
ローンチカスタマーというのは,飛行機のメーカーに製造開発を踏み切らせるだけの充分な規模の発注を行って,その新型機製造計画を立ち上げる最初の顧客となる航空会社のこと。2004年に,ANAは,他社に先駆けて50機を発注して,ローンチカスタマーとなりました。開発段階から全日空が関わることで,航空会社の立場からアドバイスや日本ならではの助言をボーイング社へ伝えることもできる上に,日本の仕様がグローバルスタンダードになること,通常は欧米の会社がなることが多いのに,「日本の航空会社が,ローンチカスタマーになった」こと自体がとても重要なことなのです。
SROVというのは,実機で,空港での給油作業,荷物の積み下ろし,格納庫内のスタンドや空港のゲートとのフィットチェックなど,空港の設備との適合性を検証するプログラムのことです。今回のプログラムでは,羽田の他に,伊丹,関西,岡山,広島など5つの空港で,検証が行われます。その後,名古屋,中部も加わるとのこと。

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大きな格納庫の扉が開きました。

ANA Boeing787-8 IMGP4351
ボーイング787ドリームライナーのお披露目です。
この演出は,すごいね!

ANA Boeing787-8 IMGP4394
飛行機から降りてきたのは,全日空の伊東信一郎社長とボーイング社のジェームス・オルボーCEO。

ボーイング787機は,2004年からのプロジェクト。2007年に完成,09年就航とされ,全日空が羽田空港の拡張と08年の北京五輪にあわせて北京線に就航させる予定だったのが,遅れに遅れて,発注から7年半!で,やっと日本へとたどり着いた,もう開発者,営業,広報,関係者みんなが,血と汗と涙を流した結果が,ここにあるという感動的な儀式なわけです。ほんとに関係者じゃなくても,ヤキモキさせられました。難産でしたね。

Comparisonb787b767
B787は,現在ANAが所有する中型機のB767-300,65機の後継機として導入されます。

飛行機の目指す方向としては,「早く」,「遠くに」,「たくさん運ぶ」の3点。

B787の最大の特長のひとつは,中型機でありながら大型機並みの航続距離を実現した点。
日本各地の空港が増え,大型化する中,大型機では採算の取れない遠距離路線などに活用できるようになります。

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もちろん,ただそれだけで,B787が注目されているわけではなくて,この機体を作る技術のかなりの部分が日本のメーカーによるもので,内容的には,準国産機といっても良いくらいなこと。会場でも「Made with Japan」と「We fly 1st.」の文字がそこここに見られます。

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いや実際のところボーイングのオルボー社長さん曰く「遅れてごめんね。この787は,日本産の飛行機だよ。」って言ってましたから。このシーン,僕は聞いていて,胸が熱くなりました。

Madewithjapan35
この図に見られるように,ワークシェアは35%。ちなみにB767では15%,B777では20%でした。
胴体や主翼,主要なパーツは,ほとんど日本のメーカーが作っています。「日本の物作りの粋が集まってできた飛行機だ」と伊東社長が言ってました。
軽量の機体を実現したのは,金属ではなく炭素繊維の複合素材。これは東レの技術。
タイヤは,ブリジストン。
川崎重工,三菱重工に加えて,かつては東洋最大,世界有数の航空機メーカー「中島飛行機」が前身の富士重工も中央翼を担当。関係者は,感無量でしょうね。

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操縦席の窓も,先端部もつるんとしてます。これは,部品数を少なくすることができたため,より空気抵抗の少ない形状にできたのだそうです。

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客室の窓もB767の1.2倍大きくできました。

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ちなみにエンジンは,ロールスロイス社製。
燃費効率は,今までの飛行機に比べて20%オフ。
パーツが少なくなったので,整備費は 30%ダウン。
なんて,エコなんでしょ。
効率性が上がると,当然のことながら,収益性も上がります。
企業としては,ここが重要ですよね。

しかも,不具合をモニターするシステムの導入で,今までの不具合が見つかってから「直す」整備から,「見つける「整備」へと進化することにより,安全性と信頼性がとても向上しているとのこと。

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主翼は羽の先端までしなやか。

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とても絵になります。

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気密性が高まったこと,機体の剛性が向上したことで,女性にはとても嬉しいお知らせも。
なんとこのB787は,加湿器も導入できるため,長時間のフライトでもお肌が乾燥しにくいようです。
気圧も湿度も地上と同じにコントロールできるようになったとのこと。耳も痛くならないというわけです。
乗る側としては,これは,画期的ですね。

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さらには,トイレにウォシュレット(とわざわざ商品名で言っていたので)装備が,グローバルスタンダードに。
価格は,約1億8500万ドル(148億円)だそうですよ。

初就航地は,秋頃に羽田-広島もしくは羽田-岡山。
B787は,航続距離は長くなったので,アメリカ東海岸(例えばニューヨーク)まで給油無しで飛べるそうです。
国内専用にしておくのはもったいないですね。というわけで,来年には,国際便も飛ばすようになるようです。

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紆余曲折を経て,夢のような機体が,関係者の思いと期待を乗せて,いよいよ現実に。

いつか,一度,787で,飛んでみたいですね。

ANAブログレポート

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