NEC 「LifeTouchNOTE」は,文豪ミニキャリーワードの夢を見るか?
NECから,2011年3月に,android搭載モバイルノート「LifeTouch NOTE」が発売されています。
みんぽす・モノフェローズ向けのセミナーが開催されたので,参加してきました。
新しい情報や見聞きすることが次から次へと通過していく現代社会において,自分が思ったことというのは,書き留めておかないと,すぐに忘れてしまいます。
僕の場合は,コピーした情報をtwitterでつぶやいておいて,後で検索してみるというのが最近増えてきましたが,もちろん恥ずかしすぎて公開できない情報(でも,自分にはちょっと重要なこと)は,記憶に強く残したつもりでも,忘却の彼方へ…なんてことがしばしば。
いつもiPhoneは持ち歩いているので,Evernoteやメモに書いたりはしているのですが,その際に感じるのは,画面の狭さ,入力のトロさ,変換の精度の低さ。
で,このNEC 「LifeTouchNOTE」は,ノートPCのようでPCではなくて,はたまたNetbookのようでNetbookではありません,
キーボード入力にトコトンこだわったAndroid端末です。Androidスマートフォン同様の操作性で,ディスプレイを開いたらすぐに使えるというのが特長。もちろん,感圧式の画面をタッチすることもできます。ただし,電話機能はついてません。ってことは,iPhoneに対するiPodTouchのようなもの?ま,キーボードがついてますけれど。
↓
今日のセミナーは,どうしてこういう,ノートPCでもない,ネットブックでもない,スマートフォンでもないという,ニッチな製品が登場してきたか,これをどう使いこなすか,どういう人に使ってもらいたいか…なんてお話を,開発秘話も含めて,いろいろとお話をお聞きし,時間いっぱいまで,「LifeTouchNOTE」を体験してきました。
最初は,WillViiの塚崎社長のプレゼンテーション。
<ソーシャルメディア時代における発信デバイス(発信者の時代)>
塚崎さんのプレゼンをちゃんと聞くのは,初めてかも。
○ソーシャルメディア時代の大きな変化
今や受信だけではなく個人も発信する時代になりました。
以前は,情報を発信するには,メディアで記者になるか,ライターになるしかありませんでしたが,今は,ブログ,Twitter,SNSといったツールの存在で,メディアに匹敵する個人がたくさんでてきていますよね。
発信者が,「メディア」に限定されなくなった時代になって,ビオトープ(情報を求めるヒトが存在している場所;例えばテレビの前,PCが置いてある場所)は,拡散して,誰もが同じ情報を共有しているとは限らなくなりました。
つまり,情報を見ているヒトは,ばらばらなところをみているようになったということ。
○ソーシャルメディア時代の今後
今後,情報の流れは「人から人へと,人のつながりを介して流れる」(「キュレーションの時代」より)
こうした新しい世界では,受信だけでなく発信できることが大切で,個を確立するために,発信できなければ,場合によっては自分の存在さえ消えかけてしまうこともあり得るようになってきています。
○発信者の時代を享受するために
発信できるタイミングは自由な方が良いですし,デバイスの制約も受けるべきではありません。
どこにいても発信できて,いつでも自由に発信できるような時代になりつつあります。
スマートフォンがひとつの代表的なデバイスになりつつありますが,やはり画面の小ささ,入力方法を考えると,まだまだキーボード入力と賢いかな漢字変換システムの整ったPCの方が便利です。
以前にもモバイルギアやシグマリオンという通信機能を持った製品がもてはやされた時期がありました。
携帯電話の高機能化とノートパソコンの小型軽量化で,その座をゆずることになりましたが,未だにそのコンセプトは強く支持されています。余談ですが,過去の製品をその存在意義とともに紹介ページをオフィシャルサイト内に残しているというのは,素晴らしいことだと思います。そういえばこんな製品あったよなぁ…って時に出てくるのが,個人のファンサイト(でもいいんですけれど)だけというのは,ちょっとさびしいですからね。
○発信者時代に適したデバイスは?
現代において,この役割は,ノートPCやタブレットが担いつつありますが,例えば,ネットブックにしろ,WindowsNoteにしろ,機動性,駆動時間,起動時間,文字入力のしやすさなどを兼ね備えたデバイスというのは,まだまだ発展途上にあります。文字の入力については,ポケベル世代,ケータイ世代,PC世代で,また差がありますが,良質のキーボードを持ったデバイスというのが,やはり最終的な鍵になるのではないでしょうか。
そこで出てきたのが,この「LifeTouch NOTE」です。
ここで,「LifeTouch NOTE」開発を担当した花岡さんにバトンタッチ。
「LifeTouch NOTE」は,2009年の年末に企画が開始されました。
目指すのは,「ケータイとPCの間」
ケータイからスマートフォンに移行して,画面が大きくなり文字は読みやすくなりましたが,キーボード世代には,文字入力がしにくいですし,長文の入力には,画面のフリック入力は,かなり厳しい状態です。
ソーシャルメディアのコミュニケーションは,文字が主体であるのに,デバイスからの入力が面倒なのは,発信しにくいことにつながります。では,PCが置いてある家に帰ってから…では,ソーシャルメディアのリアルタイム化が進む中,「後で」では,内容を忘れたり,書くこと自体を忘れたりしがちです。
アクティブに発信できないのでは,ソーシャルメディアのリアルタイム性も双方向性も十分に活かせないことになります。
いつでも,発信・受信できるアクティブなコミュニケーションを可能にするために,
1.外にいるときに,文字を効率的に打てる
2.気軽に持ち運べるサイズ,重さ,デザインであること
3.ハードだけじゃない。思い立ったらすぐに書けるアプリも必要。
4.使い勝手を良くするためにはカスタマイズできることも。
5.コストバランスも大切に。
といった点が解決されなければいけません。
文字を効率的に打てる手段は,やはり適切な大きさをもったハードウェアキーボードと賢い日本語変換を備えている必要があります。
この「LifeTouchNOTE」では,高価になりすぎず,キーボードを犠牲にしない程度に極限まで小さくしたボディサイズが実現しました。
画面は7型800×480ピクセルで感圧式のタッチパネルを搭載。マルチタッチには,非対応です。
キーボードは文字部分のキーピッチが16.8mm(キーは縦方向がやや短め),キーストローク1.6mmと深め。
角を丸くして,カバンに出し入れしやすいフォルムを目指し,使うときにもいろいろな持ち方ができるように工夫されています。
androidのお作法通り,Menu,検索,ホーム,戻る,の4つのキーも配置されています。
キーボードにこだわっただけでなく,起動時間にもこだわりました。
androidデバイスであるから(Googleの承認をとるのが,大変だった!),スリープからの復帰という概念がないほど,カバーを開ければすぐに使える状態になります。ネットブックやノートPCでは,以前よりも早くなったものの,まだまだ「待たされる」感覚がありますよね。
パッと開いたらすぐに書き始められる,ノートにペンでメモする感覚を実現したいと考えて,アプリケーション「ライフノート」も作られました。メモ書きから,そのまま発信することもできます。
Andoriod認証を受けているので,Androidマーケットで,ユーザーは,自由にアプリを追加,「LifeTouch NOTE」をカスタマイズすることができます。
気軽に使ってもらうために,あまり高額にはしたくなかったとのこと。
そうですよね,今までのお話を考えると,ライバルは,ネットブックやノートPC,ケータイ,スマートフォンではなくて,MacBookAirあたりになりそうです。ただ,価格的には,2011年7月25日現在で,「Wi-Fiモデル」の実勢価格が3万円から3万5千円あたりと,うっかり買いそうになるエリアです。MacBookAirとも最低で5万円ほどの差があります。
Androidでは,画面タッチ操作が多いイメージがありますが,「LifeTouch NOTE」では,キーボードの利点を活かしてタッチ操作を最小限にして,発信力を落とさないように工夫されています。あまり気がつかれないかもしれませんが,キーボードの手前にポインティングデバイス(確定スイッチ機能付き)もついています。マウス要らず。
カメラは搭載されていますが,SDHCメモリスロットがあるので,「メモカメラ」とわざわざ書かれているほど。画素数は,200万画素。
そのかわりにデジカメのデータを読み込めるように,SDカードスロットがついています。
この「LifeTouch NOTE」のイベントのアナウンスがあったときに,最初に思ったのが,「通信」はどうするの?でした。
「通話機能」はありません。モデルには,「FOMAハイスピードモデル」,「Wi-Fiモデル」が用意されています。どうしても,単体でいつでもつながっていたいという人には,「FOMAハイスピードモデル」なのでしょうね。
通常は,WiFiのある場所を探すか,モバイルWiFiルーターを一緒に持ち歩く形が多いのでしょうね。
ああ,iPhoneのテザリング機能が解放されていれば…。
NECは,1977年から「C&C」という概念を提示し続けてきました。
ええ,もちろんカレーショップではありませんよ。
「コンピュータ技術とコミュニケーション技術の融合」という概念です。
コミュニケーションツールとして使えないコンピュータはありえませんし,コンピュータがあればこそのコミュニケーションで世の中はあふれているほどです。
NECは,今でもこの想いを大切に持ち続けています。
僕自身は,「モバイルギア」の前に,「文豪miniキャリーワード」という製品を使っていました。
このキーボードが秀逸で,また入力デバイスとしても良くできていて,かなり一時期持ち歩いていたのですが,気がついたら,もう20年以上も前のプロダクトでした。「LifeTouch NOTE」の開発の方も知らないくらいでしたから(笑)。なので,個人的には,モバギよりもキャリーワードの再来かな?と,この「LifeTouch NOTE」を受け止めてみました。
個人発信の時代のライフスタイルに,より最適なデバイスたらんとして開発された「LifeTouch NOTE」。
2週間ほどお借りすることができたので,キャリーワードに思いをはせつつ,しばらく持ち歩いてみようと思います。
というわけで,
ぜひ,このレビューを「みんぽす」で評価してください。
(「みんぽす」の使い方)
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