第108回歯科医師国家試験の合格発表

「医師国家試験、1985年以降で最高の合格率91.2％」（ReseMomリセマム）

厚生労働省は3月18日、医師国家試験と歯科医師国家試験の合格発表を行った。医師合格率は91.2％、歯科医師合格率は63.8％。
第108回歯科医師国家試験は1月31日と2月1日に実施。出願者数3,695人、受験者数3,138人、合格者数2,003人、合格率は63.8％で、前年の63.3％と比べ0.5ポイント増加。このうち、新卒者の合格者数は1,457人、合格率は73.0％で、前年の73.3％と比べ0.3ポイント減少した。
新卒者の合格率が高かった。

第108回歯科医師国家試験の合格発表がありました。

	出願者数	受験者数	合格者数	合格率
新卒者	2,525人	1,995人	1,457人	73.0％
全　体	3,695人	3,138人	2,003人	63.8％

平成２７年１月３１日（土），２月１日（日）に実施された国家試験の結果です。

合格された方は，おめでとうございます。

2011年の全体の合格率が71.0%，2012年が71.1%，2013年が71.2%，2014年が63.3%，そして2015年は63.8%。
ですが，合格者数は，2,025人から2,003人へと減っています。

結果をそのまま見れば，医科の国家試験より，歯科の国家試験の方が，文字通り，「狭き門」となっています。

出口を狭める方向というか，合格者数のパーセントではなくて総数をコントロールする「見えざる手」的な意図は，昨年に引き続いているようです。

平成１８年１２月に，厚生労働省医政局歯科保健課から出された「今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会中間報告書」にも書かれていますが，歯科医師の資質向上のため，コミュニケーション能力，学力，社会人および医療人として信頼されること，安全で適切な歯科医療を行うための基本的資質を有することなどが求められ，歯科医師の需給問題として，新規参入歯科医師数を約1,200人程度にコントロールする必要があるものの，大学歯学部，歯科大学の入学定員の削減は平成10年度以降適切には進まず，そのために，出口である国家試験の合格基準が高くなりつつあるというのが，現状のようです。歯科医療の質の水準を維持するための，歯科医師の国家資格の合格率ではなくて合格者数を減らしていく傾向は，今後も続いていきそうですね。

第１０８回歯科医師国家試験における採点除外等の取扱いをした問題は，9問ありました。
基本的には資格試験なので，合格ラインの点数がとれていればいいはずなのですが，採点除外の問題数をコントロールすることで，合格者数のボリュームを調整しているようにみえます。

今年の新卒の合格率は73.0％。既卒の合格率は，47.8%。既卒者の合格率が昨年に比べて9%増加しています。
大学別合格率では，ランキング1位が，昨年に引き続き，93.5%の東京歯科大学。昨年は，94.5%でしたが，私立の歯学部の合格率が59.9%ということからみると，東京歯科大学は，卒業者のクオリティコントロールはしっかりやられている印象です。これで4年連続の国家試験合格率1位です。

国立・公立の歯学部では，東京医科歯科大学が81.7%でトップに返り咲き。既卒者の合格率も高かったですね。昨年が70.4%だったので，学生さん達は，だいぶお尻をたたかれましたね。新潟大学の歯学部は，ちょっと厳しい結果でしたね。卒業者数の少ない学校は一人落ちるとだいぶパーセンテージに影響が出るというのもあります。でも，まぁ，受験者の頑張りで結果が左右されるのは間違いないのですが，責任を問われるのは現場の先生方…というのは，理不尽なところもあるので，関係者の皆さんもお疲れさまでした。

数で見ると，国公立の歯学部の新卒の不合格者は10人程度，私立は10人弱から，多いところで約40人(!)と，バラエティに富んでます。私立大学の選び方も，なかなか難しいですが，やはり，国家試験の合格率が，新卒，既卒共に高い学校の方が，いいですよね。みんな一緒に合格できた方が嬉しいですから。

歯科は，楽しいですよ。
一緒に頑張っていきましょ。

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