虫歯菌の一部が,脳出血に関与
「虫歯菌、脳出血に関与=止血作用を阻害―国循」虫歯の原因菌として知られるミュータンス菌の一種が脳内で炎症を引き起こし、脳出血の発症に関与していると国立循環器病研究センター(国循、大阪府吹田市)などが5日発表した。
研究グループは、国循に入院した脳卒中患者100人から唾液を採取し、中に含まれるミュータンス菌を培養した。
このうち、コラーゲンと結合して止血作用を阻害する性質を持つ「cnm遺伝子保有株」が検出された患者は、脳出血の発症可能性が他の患者の約4倍あった。
オリジナルの論文(英語)は,こちら↓
Intracerebral hemorrhage and deep microbleeds associated with cnm-positive Streptococcus mutans; a hospital cohort study
血管壁のコラーゲンと結合することで血管の傷口に集まり血小板の止血作用を阻害する性質を持つcnm遺伝子をもつストレプトコッカスミュータンス(虫歯菌として知られる細菌)は,以前から脳出血のリスクを高めるという研究が出ていたようですが,今回は,脳出血の発症可能性が,この細菌がいる患者は,他の患者の約4倍高かったとのこと。
磁気共鳴画像装置(MRI)で確認できる微小な脳出血の跡も多かったとのこと。
生活習慣や年齢の影響によって硬くなった脳血管に対して,このミュータンス菌が傷害することにより,脆弱になった血管が裂けて脳出血発症に至るのではないかという推論のようです。
このcnm遺伝子をもつストレプトコッカスミュータンスは,成人の約7%にいるとのこと。
このミュータンス菌の表面に特殊なタンパクがあるので,これを標的にした予防薬ができれば,脳出血の可能性を減らせるというあたりを目指しているようですが,これはボリューム的な閾値があるのでしょうか?それとも,少しでも存在すればリスクが高いということなのかな…。
クスリの開発を待つまでもなく,口腔内を衛生的に保つことができれば,脳出血患者の発症予防に役立つというのであれば,やはり,歯磨きを頑張りましょうということと,歯医者さんで,クリーニングを定期的に受けましょうということになるのだけれど,もう少し,この情報を追いかけてみます。
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