第109回歯科医師国家試験の合格発表
厚生労働省が,本日3月18日,医師国家試験と歯科医師国家試験の合格発表を行いました。
→第109回歯科医師国家試験の合格発表
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
新卒者 | 2,536人 | 1,969人 | 1,436人 | 72.9% |
全 体 | 3,706人 | 3,103人 | 1,973人 | 63.6% |
合格された方は,おめでとうございます。
医師合格率は91.5%,歯科医師合格率は63.6%。医師合格率は,1985年以降最高となった前回の第109回の91.2%よりさらに0.3ポイント増加し,過去最高を更新しました。
「歯科医師の国家試験は,医師の国家試験より難しい」と思ってもらう分には良いんですが,短絡的に「歯科医師の方がアタマが…」って思ってもらっては困ります。
ここのところ,歯科医師国家試験に合格するには,上から約2000人に入るのが条件になりつつあります。資格試験ではあるのですが,合格点以上なら合格というのではなくて,合格が認められる人数に定員があるかのようです。
まぁ,歯科医師の人数を削減したくても,入学者数と卒業者数を絞らない私立大学が多いから,仕方がない措置だとも言われていますが,なんだか不思議な話ではあります。
2011年の全体の合格率が71.0%,2012年が71.1%,2013年が71.2%,2014年が63.3%,2015年は63.8%,2016年は63.6%。
ですが,合格者数は,2,025人からとうとう2000人を切って,1,973人となりました。昨年同様,新卒者の合格率が高いので,国試浪人が決定したヒトは,気合いを入れ直して,モチベーションを維持してくださいね。
「合格者の人数があらかじめ決まってる」なんて言えないでしょうけれど,この傾向が続いていることを考えると,やはり,一学年の人数が多い大学は,受験者数をさらに絞るようにしないと,合格率を上げることには繋がりません。全国29歯学部が談合して,卒業者数を2000人に以下にすれば,合格率は医師の国家試験よりも高くなるはず。
いや,冗談ではなくて。
大学別合格率では,ランキング1位が,昨年に引き続き,93.3%の東京歯科大学。これで5年連続の国家試験合格率1位です。国家試験対策だけでなく,卒業者数のコントロールもそうとう厳しいとは思います。
2位は,東京医科歯科大学,3位は九州大学です。
私立の出願者数と受験者数が大きいのは,どうしてなのでしょうね。まぁ,合格率は,分母が受験者数になるから,直前で大学が受けさせなかったと見るのが正しいのかもしれません。
以下,4位は北海道大学,5位は徳島大学,6位は日本歯科大学,7位は岡山大学,8位は大阪大学,9位が長崎大学で,10位が神奈川歯科大学。
私立の順位は,昭和大学,愛知学院大学と続きます。
私立の歯学部を目指す高校生は,6年後の合格率が今のままとは限りませんが,第1志望は東京歯科大学にしておくのが良さそうです。ただし,ちゃんと卒業までこぎ着けないといけません。一人で頑張る自信がなければ,国立大学(独立行政法人ですが)よりも,「学年みんなで一丸となって」国家試験勉強を頑張るという環境が用意される私立大学の方が無難というのはありそうです。合格率の低い歯学部を選んでしまうと,例えば,2016年の合格率から見ると,10人のうち3人しか歯科医師になれないという現実があるので,ご注意を。
まぁ,実際には,歯科医師になってからのほうが大変なことが多いので,一人で頑張れる体力はあるほうが良いですけれど,友達とつるんでないと勉強ができない…というのでは,将来困ったことになりそうです。
歯科の仕事は,楽しいですよ。
一緒に頑張っていきましょ。
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