スケールが大きくなってるのは敵の母艦だけ。「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」
さて,この,「リサージェンス(Resurgence)」という言葉,「復帰」とか「復活」という意味です。
語源的には,Resurrectionと同じですね。
で,制作陣が,かなり前作とかぶってます。
監督のローランド・エメリッヒ,トーマス・J・ホイットモア「元」大統領役のビル・プルマン,ジュリアス・レヴィンソン役のジャド・ハーシュ,デイヴィッド・レヴィンソン役のジェフ・ゴールドブラム,ブラキッシュ・オークン博士役のブレント・スピナーなど,懐かしい面々が。
で,前作で活躍したヒーローのヒラー大尉役のウィル・スミスは,出ていません。あ,写真は出てるね,何度も。ヒラー大尉は戦闘機の試用運転中,原因不明の誤作動が起こり死亡したという設定です。
ギャラが高すぎたというのが,その理由らしいですが,まぁ,ウィル・スミスまで出てしまったら,完全におじさんたちがこの新しい映画を喰っちゃう状態になるので,それは避けたかったってのもあるんじゃないかと思います。
で,前作で活躍したメンバーにけっきょく頼ってしまっている分,新しい登場人物が描ききれてなくて,それなのに冗長な部分があったので,ちょっと残念。ジェイクとスティーブン・ヒラーの息子ディランの確執もなんだか唐突すぎて,ディランがいきなりジェイクを殴ることでそれを現そうと思ったのかもしれないけど,ちょっと乱暴。
で,司令官やパイロットに,無理矢理な感じで中国の俳優さんを配しているのも,現代らしいなとは思うけど,それはちょっとどうなの?って思うよ。アジア人のハリウッド進出とみるか,チャイナマネー,ここまでもかと思うか,人それぞれだとは思いますけれどね。女性の大統領というのは,ヒラリー・クリントンへの速すぎるおべっかのようにも思ったら,ちょっと偏屈すぎますかね。ま,簡単に殺されちゃうんだ,これが。
ジェフ・ゴーフドブラムは,さらに10年遡った「ザ・フライ」の,ハエ男のイメージを,やっと払拭できた感じ。いや,僕の中でですけれど。
で,出演者がかぶってるだけじゃなくて,ストーリー展開も前作を踏襲しているので,良く言えば「インデペンデンスデイ」的,悪く言えば「代わり映えがしない」ストーリー。
初めて,この映画を観る人には,迫力のある映像がそれなりに評価される部分もあるかもしれないけど,それだと前作の登場人物が出ていることの意味があまり伝わらないし,前作を観ている人には,場当たり的な戦略と,「また,(元)大統領,行っちゃうの?!」みたいなところが,20年経っても進歩していないあたり,厳しめの評価にならざるを得ない気がします。“地球防衛システムの発足”や“世界平和同盟の締結”“月面に基地を建設”といった新しいキーワードはあるものの,あまり伝わってこないし,スケールが大きくなってるのは敵の母艦だけ。
やっぱり,ローランド・エメリッヒ監督の代表作は,12年前に公開された「デイ・アフター・トゥモロー」だなと思うんです。
「インデペンデンス・デイ: リサージェンス」,わりとがっかりな映画でした。
58点。
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