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TSCセミナー 小菅正夫氏「原点回帰の組織改革 逆境をチャンスに変える」

小菅正夫

たまたまFacebookの右に出る広告で,TSC(Tokyo Station City)主催の面白そうなセミナーがあったので,応募してみました。
講師は,旭川の旭山動物園の園長さんだった,小菅正夫さん

タイトルは,「原点回帰の組織改革 逆境をチャンスに変える


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小菅正夫さんは,獣医師なんですね。
旭山動物園の園長就任当初,当時入場者数がどん底にあり,閉園の危機に立たされていたところからの大復活劇。お話,とても面白かったですよ。以下,講演内容を抜粋してレポートします。

組織も、絶滅が起こらなければ、新しいものは生まれない
絶滅に近づいていたとしても,悲観する必要はない
変化の種子の発現頻度は同率

平常時には、安定への力が働く 変化の種子は発芽しない
絶滅期には変化の種子が発芽する空間ができる。

旭山動物園の立地は,動物園としては、最悪の地にある。
降雪寒冷地 西斜面。
雪の中の動物園 。
真っ青な空と真っ白な雪原にキリンがすっと立つ。

でも,斜面だから、三次元の行動展示が可能に。
不利が最大の特徴

弱小組織
人口35万の市に,飼育係10名の動物園
危機感の共有 市民の協力 市役所の理解
小さいからこそひとつにまとまる

議論を尽くして決まったことは全員が従うというルールを徹底

旭川市が設置した旭山動物園は、当初,「赤字はあまり気にせず、旭川市に集客するため」のものだった。
旭川全体としての収支を考えろとの市長からのお達し。
旭川から北には動物園がないから、必ず一泊する。動物園が目的で来た人が,旭川にお金を落とす。
集客のため,小中学校の生徒は無料に。

市長が替わって,
新しい市長が、旭山動物園を,やめたほうが良いと言い始めた。
収入を上げろと。

ちょうど,ニホンにもテーマパークがいろいろオープンし始めた頃
そこで,ジェットコースターを導入
昭和59年ピークの入場者数。
だが,動物園が遊園地として認知されるはずがない

お客さんが面白くないと言う。
動物がみんな尻を向けてる
これは,飼育係の方を向いているということ。

飼育係とお客さんでは,動物を見るサイドが違う。
どうしてお客さんが来ないのか。動物の向こうにいるお客さんのことを考えるようになった。
今、自分らでできることをやっていこう

「このままじゃダメだ」
「とりあえずやれることはなんでもやってみよう」
信念を持って継続
運営理念を明確に
理念に基づいた活動の徹底

動物園の使命とは,
○娯楽
○研究
○教育
○自然保護
市民のためにオープンしたロンドン動物園が最初にこれを言った。
人々が楽しめる場所であることも重要。
レクリエーションは、本来、リ・クリエイション
動物といる幸福感
人間性回復のための動物園

動物に芸をさせるのは,動物園の飼育係として到底受け入れることはできない。
動物園の目的は、野生動物を見せること。
飼育係から、飼育展示係へ名称変更。
野生動物を守れば、環境を守り、地球を救うことにつながる

インフルエンザなど,人と動物の共通感染症の研究の場としても。
病原菌を持っているのは,人間。

動物園を良くするため,お客さんに来てもらえるようになるために,アンケート調査。
入園者への聞き取り調査。これをやりたがる人がいなかった。
なぜなら,人と話すのが嫌だから、飼育係になったという人が多かったので。

クマは寝てるだけ
キリンは立ってるだけ
水鳥は浮かんでるだけ
←動かない
動くまで見てない客が悪いのか?
飼育係と同じようには、お客さんは見ない

お客さんが,「面白くないわよ」
「じゃ,どうして来たんですか?」と返したら,怒られた。

一度同じ動物を見たら,お客さんは,わかったと思って,もう来なくなってしまう。
いつも同じじゃないことを知っているのは,飼育係。

キリンにツノが5本あるの、知ってる?
生まれた時は3本なんだよ。

こんな話を聞くと,また,見たくなる。来たくなる。

生き物は、いつも同じじゃない
命は常に変化している
面白いと思ったことを、看板に手書きでお客さんに伝えることを始めた。

お客さんのために、動物園の人間が変わっていった
市長や市役所の職員の理解はなかなか得られなかった。
そこで,市民を味方につけるために,
ワンポイントガイド
親子動物教室
クイズ大会
絵本の読み聞かせなどを企画

全員ができることをやる

飼育係に自分の担当する動物の自慢話をさせる

必死の思いが扉を開く

組織改革にスターは要らない
みんなバラバラに自分のやり方で自分らしくやった。
多様性の強さ

理想の動物園
動物が幸せに暮らせる
動物がもっとも魅力的にみえる
これが「行動展示」

動けるスペースのあるときの動物の美しさ

「笑う」,「諦めない」こと
チャンスを逃さずに掴む準備
歯を食いしばっていると疲れる
団体戦でリーダーは笑っていること
悲惨にならないこと
笑いは、エネルギー。
自分もまわりも楽になる

お客さんの来ない動物園は潰れる
動物園に来て、スタッフの思いを持ち帰ってもらう。

旭山動物園は,今では,年間300万人を超える動物園に。

とても示唆に富んだ,興味深い,笑いのあるセミナーでした。
小菅正夫さん,TSCのスタッフの皆さん,ありがとうございます。

次回のセミナーも楽しみにしています。

補足
この対談も参考になります

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