JVCKenwood 「EXOFIELD」技術に期待するもの,今後の展開(予想) その2
業界の最先端,リファレンスとなる超有名スタジオ「ビクタースタジオ」にお招き頂き,スタジオ見学と,3月に正式発表されたばかりの頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」を,モノフェローズのブロガー向けイベントで,体感してきました。
「EXOFIELD(エクソフィールド)」というのは,ヘッドホン再生時に,特定のリスニングルームのスピーカー音場と定位を再現する頭外定位音場処理技術のことです。
「特定のリスニングルーム」というのは,例えば,このビクタースタジオの「リスニングルーム」です。
これが,自分のヘッドホンで,いつでもどこでも再現できるというオーディオマニア垂涎の技術。
クラッシックなど生楽器の録音によく使われるというビクタースタジオ最大の301スタジオを案内していただいたのは,お久しぶりです!の秋元 秀之さん。今回もありがとうございます。
ビクタースタジオは,レーベルの枠を超えて仕事をしています。
音の出口である録音技術とスピーカーでの音の再現だけでなく,音の入り口であるスタジオとマイクなどの機器にも細心の注意が払われています。
クリアで温かみのある,中低域が豊かで生き生きとしたボーカルサウンドを実現するノイマン型の真空管マイク
100万円以上するビンテージもののマイクです。部品がなくなったりしたら,オークションで手に入れるそうです。
こちらは,シュアのマイク。お値段グッと下がって,100ドル程度。
もちろん,これも,録音に使われます。汎用性の高いマイクです。
もちろん,ケーブルにもこだわります。
長いケーブルほど音が劣化すると言われているので,必要十分な長さを使います。
長さで色分けされています。ってことは,ビクタースタジオ専用のケーブルです。
ケーブルの長さを使い分けられるかどうかで技量がわかってしまうという部分も。
スタジオで,マイクの種類による実際の音の違いを聞かせてもらいました。
面白いくらい,音が違います。
でも,どのマイクを使うかは,エンジニアやプロデューサーの腕の見せ所。
そのマイクでないと録れない音があるというわけ。
ブースで,それぞれに録られた楽器の音を,マルチトラックで録音したものは,最終的に2チャンネルへとミックスダウンされます。その時にの様子も再現していただきました。
デモンストレーションとはいえ,こういうのを実際の目と耳で体験すると,わくわくしてきます。
で,一人一人,ビクターの「EXOFIELD」専用のリスニングルーム「EX ROOM」で,耳や顔の形状などの個人の特性の測定をします。
耳の鼓膜のすぐ前に測定用の「耳内音響マイクシステム」が入ります。ちょっとくすぐったいです(笑)。
目の前のスピーカーから,測定用の音が出るので,まずそれで測定。
それから,このJVCケンウッドのHA-MX100-Z ハイレゾ対応ヘッドフォンを,測定マイクの上から,装着して,もう一度測定。
HA-MX100-Z ハイレゾ対応ヘッドフォン(Amazon)
測定には,あまり時間は,かかりません。
で,いよいよ「EXOFIELD」体験です。
まずは,何もつけないで,ジャズのボーカルの曲を。
"Whats's the matter Now" Cecile Mclorin Slvant
最初は,「EXOFIELD」がOFFなので,
ヘッドホンをつけて,聞くと,やはり,「ヘッドホンからの音」が聞こえてきます。
そして,「ENFIELD」がONになると,
ヘッドホンをつけているのに,ヘッドホンを外した時のこのリスニングルームで聞こえた音が聞こえてきます。
不思議すぎます。ヘッドホンの再生音場がキャンセルされるように,位相を変換しているのだそうです。
これは,個人的にカスタマイズされた音場を再現しているからで,例えば,他の人の測定データを使って,EXOFIELDをONにすると,全く違って聞こえるのだそうです。面白いですね。
なので,このEX ROOMで測定した個人データを持ち帰って,(そういう製品が出ればの話ですが)家でも,出先でも,このEX ROOMで聴いたときの音が,いつでも楽しめるというプレミアムな環境再現テクノロジーなわけです。
これを,どういった製品に,どう活かしていくかは,これからのJVCケンウッドに期待するところなのですが,僕らユーザーとしては,例えば,個人の自宅がマンションやアパートの場合などでは,大きな音をスピーカーで出すということは,なかなか難しいわけで,でも,この「EXOFIELD」技術を使えば,ヘッドホンでそれができてしまうというのは,ひとつ,ありがたいところですよね。
スピーカーの前にいないのに,最高の環境が整えられたリスニングルームで聴いているように聞こえるという,このプレミアム感。
測定の手間と時間はあまりかからないのですが,測定するとしたら,ビクタースタジオまで来ないといけないので,例えば,EX ROOMを全国の家電量販店やオーディオ専門店などに持ち込んで,「全国EXOFIELD測定キャラバン」みたいなことをするのかな?
ステレオ再生だけでなく,マルチチャンネル音源の再生にも対応できるようなので,バーチャルリアリティなゲームなども,最適な環境を整えたゲーミングルームを,ヘッドホンをするだけで再現できてしまうようなことも,期待できますね。ヘッドホンの圧迫感が苦手な人(←開発者の方がそうなのだそうです)にも,これなら,受け入れられますね。
自宅に数百万かけて,オーディオルームを作らなくても,EXOFIELDがあれば,スピーカーやオーディオ機器,ケーブル,電源などにこだわることなく,ヘッドホンで,それが実現できてしまうって,すごくないですか?
ただし,ライブ会場にいるような臨場感ではなくて,あくまでも,リスニングルームで聴く環境の再現なのだそうです,現在のところ。
個人的に,JVCケンウッドにお願いしたいのは,医学領域への参入です。
EXOFIELDとは,ちょっとまた違うとは思うのですが,耳の聞こえが悪くなった人や耳なりに悩まされている(←僕です)人に,クリアな音を再び楽しめるような技術や製品をぜひ開発してもらいたいなと思います。
耳なりの治療には,TRT療法というものがあるのですが,これは,耳鳴りと同じような音をイヤホンから出して馴らすというもの。耳鳴りが聞こえなくなるものではありません。EXOFIELDの技術を使うと,耳鳴りをキャンセルして,最適なリスニング環境をヘッドホンやイヤホンで再現することが可能ではないかと,ちょっと妄想してみたり。
あとは、これからお母さんになる人が胎内の赤ちゃんに呼びかけをした時に、実際に赤ちゃんはどう聞こえるのか…とか、宇宙船に乗った時にまわりが真空の宇宙空間だと自分の声はどう聞こえるのだろうか…とか,あ、まあ、これはシミュレーションでできるのかもしれませんが、EXOFIELDへの妄想は尽きません。
ほどなく発表されるのではないかと思いますが,EXOFIELDを使った製品やサービスがどうなるのか,これからの「EXOFIELD」技術の展開,とても楽しみにしています。
江島 健二さん,秋元 秀之さん,新原 寿子さん,安富 稔さん,その他,エンジニアやスタッフのみなさん,とても楽しい体験を,ありがとうございました。
というわけで,
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