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乳がんのなりやすさを知る,治療を知る。第4回 ピンクリボンセミナー【PR】

Tochigikenkonomori

毎年,10月は,ピンクリボン月間です。
ピンクリボン(Pink ribbon)とは,乳がんの正しい知識を広め,乳がん検診の早期受診を推進し,乳がんで亡くなる方を少しでも減少させることなどを目的として行われる世界規模の啓発キャンペーンです。

NPO法人 ピンクリボンうつのみや」主催で,平成29年10月1日(日)13時半から,栃木県宇都宮市にあるとちぎ健康の森 講堂で開催された,第4回 「ピンクリボンセミナー」に参加してきました。

乳がんとは,乳房のなかの母乳をつくる小葉や,母乳を乳首まで運ぶ乳管から発生する,悪性の腫瘍です。
日本では現在乳がんの罹患率が急増しており,年間では約5万人が罹っています。 それなのに,日本の乳がん検診の受診率20%と,欧米の60%〜80%に比べて低いまま。

第4回 ピンクリボンセミナー 04
会場には,「しこり」を触れることができる模型など,さまざまな知識を深めることができる協賛団体のブースも。
思ったよりも,しっかりと硬くて芯がある感じなんですね。乳房は他の内臓と比べ自分で触診することができます。普段から自己検診(セルフチェック)して,自分の乳房の様子を把握しておくこと,とても大事です。

第4回 ピンクリボンセミナー 05

最初の講演は,ピンクリボンうつのみや理事長の佐藤俊彦先生
「遺伝性乳癌と画像診断」
第4回 ピンクリボンセミナー 06
画像診断の乳がんの検出率には差があること。また,それぞれに得意な分野があること,マンモグラフィーでは,被爆が避けられないこと。
ピンクリボンでは,「マンモグラフィーで検診しましょう」となりやすいのですが,ファーストチョイスは,MRIで検診という考え方も。

乳がんの標準治療は,一定の成績を証明されている治療法だけれど,それだけが選択肢ではないというお話。
というのは,「遺伝」による乳がんがあるから。
日本人女性の乳がん発症のリスクは9%。5人に1人は罹患するということですね。決してまれな病気ではありません。さらに,その9%の中で遺伝的な原因で発症する乳がんの発症リスクは,40~90%。

アンジェリーナ・ジョリーが,乳がんを予防するために,まだ乳がんを発症していない健康な両乳房を切除して再建する手術を受けたこと,かなり大きなニュースとしてとりあげられましたよね。彼女は,この遺伝性の乳がんのリスクをもっていたからなのです。その遺伝子が「BRCA1」。乳がんや卵巣がんの発症と関連している2種類の遺伝子
BRCA1,BRCA2。これらの遺伝子は,男女関係なく,誰でも持っている遺伝子で,がん化を抑制する遺伝子なのですが,これに異常があって,さらに血縁者に乳がんと卵巣がんを発症している人が多かったため,切除に踏み切ったというわけです。

この,乳がん・卵巣がんの症候群を,「HBOC(Hereditary Breast and Ovarian Cancer syndrome)」と呼びます。
さらに,親から子にこの遺伝子変異が受け継がれる確率は,性別に関わらず50%。遺伝性の乳がんの84%が,このBRCA遺伝子の変異によるものです。
つまり,男性がこの変異を受け継ぐこともあって,その場合,約10%のリスクで前立腺がん,あるいは男性の乳がんになるとのこと。
これ,乳がんや卵巣がんを患った人が,3親等まででどのくらいいるか,家系図を書くこと,さらに,遺伝子検査をしておいた方がいいのが,わかりますよね。
第4回 ピンクリボンセミナー 07
HBOC遺伝子検査は,欧米諸国では,保険診療対応ですが,日本は,自費になるのも問題ですね。

続いては,5000例近いがんの患者を治療してきた奥野哲治先生(Clinica E.T. EAST 院長)の講演。
「標準的でないがんや痛みの治療の最前線」
血管からがんを治す、痛みを治す。

第4回 ピンクリボンセミナー 08
がん細胞のまわりは,低酸素状態なので,血流をよくすることが,がんの治療になるとのお話。
血管拡張剤を使うと,かえって,血流を停滞させてしまうことがあるということにも注意が必要。
神経細胞の増殖で,血管増生が起こり,痛みにつながる仕組みもあるというようなお話でした。

第4回 ピンクリボンセミナー 09
ちょっとお話の内容が難しすぎて,一般の人には,理解しにくい部分がありました。

第4回 ピンクリボンセミナー 10
講演に先立って,第三者による内容をチェックして,「翻訳作業」をしたほうが良い場合もあるのかなと思いました。せっかくの実力のある先生のお話なので,ちょっともったいなかったなと。

3番目の登壇は,自治医科大学 放射線科/中央放射線部 教授の若月優先生
「乳がん治療における放射線治療の役割」

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乳がんの乳房温存療法は増えている。
が,取り残しの可能性があるので,リスクは,全部摘出するよりは,高い。

そこで,
第4回 ピンクリボンセミナー 12
放射線治療を乳房温存療法と併用すると,乳がんでの死亡率を約4%減らすことができるとのこと。

第4回 ピンクリボンセミナー 13
放射線治療で,放射線を患部に照射するとなぜ,がん細胞がなくなるかというと,普通の細胞よりも,がん細胞の方が分裂が旺盛で放射線に弱いという特徴があるから。
実は,放射線治療は100年以上も前から行われてきた,歴史のある治療法です。

じゃぁ,たくさん放射線を当てれば良いじゃないかと思うかもしれませんが,そうはいかなくて,
第4回 ピンクリボンセミナー 14
たくさん当ててしまうと,がん細胞だけじゃなくて,普通の細胞も殺してしまうので,一度にたくさんの放射線を当てることはなくて,何度かに分けて,期間を長くとるというのが,放射線治療の仕組みです。

第4回 ピンクリボンセミナー 15
放射線治療装置も,コンピュータの進化と共に,かなり高度に機能的に進化しているので,患者さんの負担や,確実性が向上しているとのこと。

わかりやすく整理されたスライドとお話で,放射線治療のことが,とてもよく理解できました。

第4回 ピンクリボンセミナー 17

お話していただいたお三方の先生方の熱意と経験が伝わってくる,とても貴重なセミナーでした。
乳がんの検査を,怖い,痛いから,イヤと思っていたヒトも,まずは,検診から始めてみようと思わせてくれるセミナーです。来年は,さらに新しい知見が加わって,より興味深いお話が聞けるのではないかと思います。

無料のセミナーですので、
女性だけでなく男性も、ぜひ一度,ご参加を!

NPO法人 ピンクリボンうつのみや
http://www.pinkribbon-no-wa.jp/

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