至福の雲丹食べ比べ!和食の技と粋,南青山・「鮨 青海(おうみ)青山店」
友人から「新宿で人気のお寿司屋さんが,青山に支店を出した」と聞いて,ちょうど表参道のイベントを見る予定だったので,予約をして行ってみました。
「鮨 青海 青山店」
とても綺麗で整った店構えと内装なので,いつオープンしたのですか?と聞いたら,なんと10月11日に開店したばかりのお店でした。
ちょうどオープン直後だったので,お店をぐるりと眺めさせてもらいましたよ。
白木のカウンター,個室のテーブル,とても上品で落ち着いた雰囲気です。
個室をつなげて,ちょっとした宴会にも対応できるフレキシブルなつくり。
このあたり,学生時代にお世話になった出版社があったところなので,なんだか懐かしい気持ちで,席に着きました。
最初に「すまし汁」が出てきました。
鰹と昆布を,低温水出しでじっくりと作られたすまし汁。
鰹も昆布もとてもよいものを使っているのと,高温で煮出していないので,雑味がありません。
きっと良いものを使っているんだろうな。ほっと一息。
まずは,ビールから。高級店でしか飲めない「マスターズ・ドリーム」から。
上品なコクと香りと旨味の生ビールです。
「鮨 青海 青山店」は,基本的にコースのみのお店です。
まず最初に出てきたのは,
赤身に近い中とろの握り
甘みと旨味たっぷりです。
一番最初に美味しいものを食べるのは贅沢ですね。いろいろなものを食べた後ではないので,味がとてもわかりやすいというのも,この中とろが出てきた理由。
そう,「一番美味しいものを一番最初に」ってことです。
ま,でもこの後も,どんどん美味しいものは出てくるので,大将は,自分でハードルを上げているようにも思えます。
お造りでした。
「鰤(ぶり)のお造り 藁燻し」
香りふんわり,脂の乗った鰤です。少しガーリックをきかせた醤油と,柚子胡椒もピリッと引き締まって良いですね。
「藁燻し(いぶし)」って,上手に調理すると,こんなにも上品に仕上がるんですね。
さてさて,面白いものが運ばれてきましたよ。
「前菜」です。
「わぁ,綺麗」思わず声に出ちゃいます。
「甘海老の翁和え」。昆布と和えるのを「翁和え」と言います。
ねっとりとろりの食感が面白い。
「数の子味噌漬け」
子供でも喜びそうな味と食感です。
数の子が食べやすく,美味しく仕上げられています。
鯛の酒盗の酸味が鯛の淡白さと合いますね。
もう,ここまできたところで,耐えきれず,日本酒を。
「梵 日本の翼 純米大吟醸」
とても珍しい日本酒です。
何が珍しいって,出される場所が珍しいお酒です。
どこで提供されているかというと,「日本政府専用機」
国賓をもてなす日本を代表するお酒というわけです。どこでも飲めるお酒ではありませんよね?と大将に聞いたら,「探せばあるんですけれどね。」と謙遜。
さわやかで柔らかな吟醸香。口当たりがよすぎて,危険なお酒でもあります。
次は,搾菜(ザーサイ)です。
お寿司屋さんで搾菜というのも面白いですね。
この搾菜は,浅漬けなのでかなりしゃっきりと,新鮮な搾菜の食感が味わえます。
「胡麻豆腐」
甘味が引き立つのは,割り醤油を使っているからとのこと。
某所で「蛸の柔らか煮」を食べたことがありますが,
それより蛸らしい噛み応えが残されていて,こちらも好み。
「菊蕪中華酢漬け」
見た目よりも,とても柔らかくて,そのギャップが面白く,酢漬けなので,食欲も刺激されます。
「石川小芋の田楽」
これね,温かいんですよ,すごくないですか?
田楽仕上げに,ほっこり。
「クリームチーズ酒粕漬け」
上品な香り豊かで爽やかな後味。
これはビールかなと思ったら,日本酒でも後味に香りが広がって好み。
以上9品,それぞれ,ほんのちょっとずつですが,どれもお酒やビールが進んでしまうお料理ばかりで,組み立てもとてもよく考えられているなと思いました。
さて,今度は,
ヒラメです。
あとから,ふんわりヒラメの香りが口の中に広がります。
ネギ生姜の乗った,アジの握り
ほのかに大蒜の香りがするのに,大蒜は使ってないのが,不思議。 ネギだけの香りなのだそうな。大蒜を入れてしまうと,口の中に刺さるような後味が残ってしまうので,ネギだけで,これを出していると。面白い!
アジは柔らかく,このネギ生姜がアクセントになっていて,美味しいですね。
お浸し 「菊花和え」
蟹肉としめじが入っています。口の中がリセットされて,つぎのメニューに備えられるようになります。
絞ったレモンの香り,墨烏賊の食感,墨の香りがちょっぴり最後に残ります。
「鮪あご蒸し焼き 霙美味出汁」
これ、美味しい。
骨付きだけど身離れもいい。
鮪の脂も,よく出汁に滲み出ていて嬉しくなります。
「雲丹,食べ比べてみますか?」と大将の誘いに,乗らないわけがありません。
じゃーん!と,9種類の雲丹がずらり!
これを丁寧に,少しずつ取り分けてもらいました。
上段が,塩水ウニで,産地は,北海道・昆布森,根室,浜中
中段が,バフンウニで,産地は,浜中,根室,ロシア
下段が,ムラサキウニで,産地は,ロシア,青森,カナダ
そのまま食べても美味しいのですが,これに,海苔と赤酢のご飯も用意してくれました。
さらに,沖縄・北谷の塩,岩塩,藻塩と,生ワサビも。
産地が違うと,見た目は似ていても,味がまったく違うのが,面白いですね。
ムラサキウニが若干,淡白なのかな。
ウニは,昆布を食べているのだそうですが,産地ごとにやはり昆布の味が違うからだそうです。食感も違います。
食べ比べしてみなければわからなかったこと。
これを,一種類ずつでも,2,3種類一緒に合わせてとか,いろいろな組み合わせで,海苔の上に,ご飯,ウニ,味付けの塩やワサビ。
あー,もう,幸せ過ぎる。
コースには,通常,ムラサキウニが付いていますが,追加料金で,ここまで楽しめます。
ウニも他のネタや料理もそうですが,目の前で作ってもらえるので,それぞれ美味しい状態を維持するのに,こんなに細やかに神経と手間をかけているのかとわかって,ビックリします。
すごい贅沢しちゃったけど,美味しいので,この至福のウニの食べ比べも,かなりオススメ。
とろっと柔らかくて濃厚なウニの後は,しっかりした食感の「クエ(九絵)」の握り。
白身魚だけど脂ものってます。ウニに負けないしっかりした味。
「小肌」
きれいですね。あっさり目の酢締め。
やはり,ネタ的に,この順番で,この小肌が来るんですね。うん,うん。
漬けの鮪の赤身
柚子の皮を粉にして,ネタの上にパラパラとかけられています。
ヅケの醤油には香り付けでカツオを使ってるのだそうです。なるほど!
柚子の香り,鰹の香り,鮪の香りが口の中で一体となって広がります。楽しい!
蒸し物は,茶碗蒸し。
ただの茶碗蒸しではありません。
白子の茶碗蒸しに,黒トリュフ。
こりゃ,たまらん!
さらに塩胡椒で味が締まります。
目と口と鼻が同時に刺激されます。
「こんなのは,いかがですか?」と,変わり寿司が。
最中でサクッと,イクラの上にトンブリが少し加えられているので,プチプチっとした食感,海苔のパリッとした食感と磯の香り。
ああ,思い出すだけで,また食べたくなります。
余韻まで美味しい「金目鯛の昆布〆」
大将は,もともと和食の出身だそうで,鮨の技に,和食の経験と知識が加わると,こんなに世界が広がるのでしょうね。
「鮨 青海」のシャリは江戸前の大きさで,しっかり目の食感。これも好みです。ネタによって,赤酢を使い分けているんですね。
はい,「大トロの炙り」です。
軽く炙って,トロの脂を活かした美味い握りです。
思わず目を瞑って,しっかり味わいました。
アナゴを2つに切って別々に…
左がタレで,右が塩のアナゴ。白焼きのように見えますが,白焼きではありません。
塩のアナゴのインパクトがすごい!なんと形容したらいいのか,「きらびやかさ」を感じます。
はぁ,もう,ため息が出ます。
そして,玉子焼き。
上がトロッと柔らかくて、下がしっかり。
もちろんホームメイド。
スイーツのような玉子焼きです。
〆は,干瓢巻で。
え?干瓢,巻き?
そうなんです,これ,お客さんに海苔で巻いてもらって,巻物になるというもの。
楽しいですね。干瓢もたっぷり入っていて美味しい。
お椀
しじみのお味噌汁。
しみじみ幸せ。
デザートは,柚子シャーベットでした。
カウンターに座らせてもらったので,目の前で握ったり,刺身を切ったりしているのが見えるところから始まって,口の中にその料理やお寿司が喉を通るまでを,真剣に考えられて工夫しているところにも感銘を受けました。
どれもとても美味しくて,全体としてのストーリーまで楽しませてもらいました。
ごちそうさまでした。
また来ます。
お店の場所は,東京メトロの表参道駅のB1出口を出たらそのまま真っ直ぐ。
南青山5丁目の交差点を左に折れて,いけばなの小原流会館の手前を左折してすぐのところの地下にあります。
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