「銀座 結絆」で,夏の活蟹の旨味を味わいつくす。
気の置けない友人たちと,少し早めの暑気払い。
久しぶりなので,ちょっと奮発して,銀座の日本料理店「結絆」へ。
銀座7丁目の通りにあるGinza7th Placeの6F
カウンターに案内されて,目の前には広々とした調理場。ワクワクしますね。
「本日のお料理に使う毛蟹です」と,元気よく動く活きのいい大きな毛蟹。毛蟹って,こんなに大きいのもあるんだ?
そう,今日は,とっておきの「夏の活蟹食べ比べコース 」をお願いしておきました。
メインで調理してくれるのは,この料理長で店主の小林 和紀(こばやし かずのり)さん。
小林さんは,料亭『紀尾井町 福田家』など数々の名店で修行され,会員制のリゾートホテル『東京ベイコート倶楽部』で12年間料理長を務め,2019年11月に独立して,ここ「銀座 結絆」をオープンさせたという経歴の方。もちろんですが,豊富な料理経験からお客さんに合わせた話題の提供も楽しく,まさにライブキッチン。
まずは,コース始まりの黒く輝く「宮崎産キャビア」から。
ロシア産のキャビアなら,ウォッカというところなのかもしれませんが,キャビアは日本産で,日本料理なので,ここは和食にも合う,
シャンパーニュで乾杯ですよね。アンリオ ブラン・ド・ブランは,気品のある涼やかな酸味とフレッシュな香り。
2016年の伊勢志摩サミットで,この「MIYAZAKI CAVIAR 1983」が提供されたとのこと。
キャビアは,金属のスプーンでは味が変わってしまうので,用意されていたのは,シェル(貝)スプーン。
こんなところにも心配りが。すごいですね。舌の上に慎重にシェルスプーンでキャビアを運び,上あごと舌で静かに押しつぶし,あふれ出るそのうまみを実感。美味しい!ねっとりとした粘りとツヤ,塩分控え目で,濃厚でクリーミーでコクのあるキャビアです。
シャンパーニュで,ゴクリとキャビアを押し流す贅沢。
まだ動く毛蟹を手早く足を外して,2本ずつは,昆布〆の氷水に浸けて,
毛蟹の足4本は,余すところなく別々に調理されていきます。
毛蟹の活け作り。
一本は,小豆島の出汁醤油とおろしたてのワサビで,
もう一本は,酢橘(すだち)塩で。
この「銀座 結絆」では,本わさび専用おろし板を使っているんです 。
このおろし金,ちょっとイースターエッグ的な遊びがあるんですよ,お店に行ったら,探してみてください。難易度高いけど。
活き毛蟹の刺身は,みずみずしくてジューシーで柔らか。さっきまで,動いていたんですものね。
おや?なにやらソースを作っているようですよ。
これを作っている時から香りに魅了されてたのが,今,目の前に。
毛蟹の足を山形の鉄鍋で焼いた蟹が出てきました。
「鉄鍋焼き 和風ブールブランソース」です。ブールブランソースは,白ワインとたっぷりのバターを使って作られたコクのあるソースで,この料理に使われているソースの材料は,エシレバター,生クリーム,蟹の出汁です。文字だけでも,もう美味しそうですよね。
少しの酸味と甘味とずっと舐めていたいくらいの濃厚なソースで,焼きの香りも楽しみつつ,毛蟹の肉を堪能しました。
目の前で調理されるのを見せてもらえるのは,料理人さんにとっては緊張感を伴うものかもしれませんが,お客さんとしては,ライブ感もたっぷり楽しめるし,なにより安心感があります。
最後の4本目の足は,天ぷら「黄金揚げ カレー塩で」。和食系に入ってきたので,お酒も日本酒のペアリングをお願いしてみました。
コメの旨味と香りの輪郭が伝わってくる純米大吟醸。これを,ほくほくの柔らかな毛蟹の身を,カレーの香りがアクセントの塩でいただきました。甘味も引き出されてきますね。カレー塩という発想も面白いです。
こちらは,「マデラ蟹味噌和え」の蟹の身。
もうね,これ,最高に美味かった。
蟹の身をほぐした上から,蟹味噌とマデラ酒で作られた,甘くてコクのあるソースがかかっています。このソースが染み込んだ蟹の身の美味しいことったら!
ああ,こんな食べ方があるんですね。蟹は奥が深いなぁ。
ほんとに美味い!
そうそう,このお店で使われているお箸,手触りが良くて,すっと持てる。良い割り箸だなぁと思ったら,やはり特別なお箸だそうです。
居心地の良さとかホスピタリティとか,目に見えないようなところまで心配りされているお店って,嬉しいな。
そして,ここからは,コース後半の「とげくり蟹」。濃厚な蟹味噌が特長の青森産の蟹です。
先ほどまでの毛蟹より,一回り小さいのですが,味はさらにギュッと濃縮されているとのこと。楽しみ!
おや?モエシャン(Moët & Chandon)を惜しげもなく,入れてますね!
これが,「とげくり蟹白味噌大根鍋モエシャン仕立て」
こちらは,蟹味噌が入っていないバージョン。うん,美味しい。
広島の宝剣 超辛口の純米酒です。辛口でも,尖りすぎず,すっきりとしていながら旨味も香りも料理を引き立てるバランスの良さ。
そして,こちらが,「とげくり蟹白味噌大根鍋モエシャン仕立て」の蟹味噌入りバージョン。
これは,めちゃくちゃインパクトがあります。押し寄せる旨味!
すごいな,とげくり蟹!「濃厚」とは,このこと!
蟹味噌の入っていない方も,十分以上に美味しいと思いましたが,蟹味噌が入ると,ここまで変わるとは!
比較させてくれるのも楽しいですね。
続いては,フカヒレスープ。器も美しい。
スープに蟹のエキスがたっぷり入った,フカヒレスープです。
フカヒレの食感がちゃんと主張してくるスープで,葱油が隠し味。
合わせてもらったのは,こちらのKIDブランドの「無量山」
ふくよかで爽やかな果実香にすっかり魅了されました。そしてまろやかな甘み。これは特別な日本酒ですね。
すごい。
そして,「黒トリュフうどん」です。
こんな濃厚で華やかで旨味たっぷりの稲庭うどんを食べたのは初めてです。
ああ,幸せ。
〆は,こちらの「いくら雑炊」
もちろん,ただの雑炊ではありませんよ。とげくり蟹のスープがしっかり入っています。
このいくら雑炊に,海苔が加わった時の複雑な濃厚さ。
チーズも入っているので,リゾット風でもありますが,和であり,洋であり,これも,とても美味しい。
ピークをさらに超えるピークが次々と来る料理の組み立ての凄さ。もう,言葉がありません。
黒トリュフと蜂蜜を,グラスの中に入れて,温めていますね。
トリュフの香りをしっかりと閉じ込める演出も華やか。
マンゴーにトリュフ,こんな組み合わせ方もあるんだ?!
オーストラリア産の黒トリュフ,熟したマンゴーによく合いますね。
1+1が3とか4になる感じ。
舌が喜んでいます。
スダチのゼリーがかけられた,プルンプルンの白あんの水ようかん。
最後に出してもらったこの温かい麦茶が,香りがとてもよくて,余韻まで最高に。
ああ,どの料理も,この「結絆」でしか食べられない,最高の食材と調理方法で,目の前でそれを見せてもらえる楽しさと,できたてをいただく美味しさを堪能させてもらいました。
せっかくなので,小林 和紀さんと,小林さんの右腕の統括料理長の戸簾勝之さん,おふたり揃って,スナップを撮らせてもらいました。
「人と人の『絆』を大切にしたい」との想いが込められた『銀座 結絆』。
「単に綺麗に盛り付けるだけではなくて,できあがったお料理を一番おいしい状態で召し上がっていただきたい」との思いまで,わくわくしながら,しっかり堪能しました。
ごちそうさまでした。また来られるように頑張ります。
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